講座日程

【終了】立教大学第14回首都圏第100期災害救援ボランティア講座(2/24,25,3/5)

【終了】この講座は終了しました。次回は5月開講予定です。

 

★★首都圏第100期講座募集要項(PDF)はこちらをクリック★★ → (終了しました)
お申し込みは 受講申し込みメールフォーム
または 受講申込用紙のFAXまたは郵送で受け付けています。
受講申し込み用紙[PDF]
用紙記入例[PDF]
個人情報の取り扱いについては 受講申込に個人情報の取り扱いについて[PDF]
をご確認ください。

日時 平成29年 2月24日(金)
会場:立教大学 池袋キャンパス ポールラッシュアスレチックセンター4階フロア1

09:00-17:00 応急手当活動(上級救命技能講習)[実技訓練]

 

平成29年 2月25日(土)
会場:立教大学 池袋キャンパス 7号館7102教室

09:00-09:05 開会挨拶(立教大学ボランティアセンター)

09:05-09:20 オリエンテーション 

09:20-10:50 災害救援ボランティアの基本

11:00-12:30 出火防止と初期消火

13:30-15:00 災害情報の収集・伝達とコミュニケーション[グループワーク]

15:10-16:40 災害と防災対策の基本

16:40-17:00 事務連絡

 

平成29年 3月4日(土)
会場:池袋防災館、立教大学 池袋キャンパス7号7102館教室

09:30-11:30 災害模擬体験と実技[実技訓練]

【 以下の2科目は公開講座です(無料/申込不要/定員200名) 】

13:00-14:30
 大学と学生による災害救援・復興支援活動の実際(仮)
 ~東北地方太平洋沖地震から6年の活動を振り返り、教訓を活かす~
    コーディネーター:立教大学ボランティアセンター
    講師:立教大学学生ボランティア団体メンバー(予定)

14:40-16:50
 災害時のリーダーシップとチーム・ビルディング[総合演習・図上訓練]
 ~被災地活動に必要なチームワークと安全管理意識を高める~
 ※受講生、公開講座参加者全員をその場でチーム編成し活動を疑似体験します
    講師:災害救援ボランティア推進委員会主任、社会福祉士 宮﨑賢哉

16:50-17:00 講座まとめ(認定証授与)

 

会場 *立教大学池袋キャンパス(JRほか「池袋」駅西口より徒歩10分程度)アクセスマップarrow001_blue
*池袋防災館JRほか「池袋」駅西口より徒歩10分程度) アクセスマップarrow001_blue
費用 *保険料、教材費他の実費として ¥15,000-/人(学生の方は¥10,000-/人)
*立教大学在学生、教職員は受講料の減免があります。
備考 *立教大学在学生、教職員の方は池袋・新座ボランティアセンターでお申込みください。
*一般の方、他大学の方は、弊会に直接お申込みください(TEL.03-6822-9900)。
*受講地域に制限はありません。全国からご参加いただくことができます。
*障がいをお持ちの方や、配慮が必要な方は、メールフォーム等でお気軽にご相談ください。
*PDFファイルが閲覧できない方はお電話にてご連絡ください

 

Adobe Reader

このサイトには、Adobe社Adobe Readerが必要なページがあります。
お持ちでない方はのアイコンよりダウンロードをお願いいたします。

【終了】中央大学で公務員になりたい学生向け入門講座

中央大学(多摩キャンパス)で、公務員になりたい学生を対象とした防災・災害ボランティア入門講座が開催されました。弊会の高須事務局員及び防災教育普及協会の宮﨑事務局長、日野市防災安全課の吉田主任が登壇し、公務員になりたい学生に知っておいて欲しい防災対策・災害支援に関する法制度や自助・共助・公助の考え方、被災者生活再建支援、実際の行政職員としての業務などについて講義が行われました。

合計31名の学生が参加し「自助・共助・公助の意義を、ゲームで体験的に理解できた」、「法律や制度といった仕組みの部分と、実際の業務の両方の面から学ぶことができてよかった」といった感想がありました。また「行政職員の方のお話をしっかり聞きたい」、「地域コミュニティと防災の関係を知りたい」など、今後の講座やボランティア活動につながるような積極的な意見もありました。

161116chirashi

▶ 公務員になりたい人のための防災・災害ボランティア入門講座(中央大学ホームページ)arrow001_blue

 new_161116_1_31052575745_o 
講義「自助・共助・公助のキホン」では、災害の歴史と教訓、災害救助法・災害対策基本法・被災者生活再建支援法の成り立ちと要点について防災教育普及協会の宮﨑事務局長が解説しました。

new_161116_2_31052576105_o 

災害時における行政職員と住民の関わりを体験的に理解するために、宮崎事務局長が考案した訓練プログラム「DICE(Disaster Information & Communication Exercise:災害情報収集伝達とコミュニケーション演習、下記ページ参照)の簡易版が行われました。

▶ 防災ミニ講座 第15回 【教材あり】災害情報とコミュニケーションについて学ぶ『DICE(ダイス)』

new_161116_3_30910316492_o

弊会の高須事務局員による被災者生活再建支援についての講義。熊本での支援体験談も交えながら、公務員として携わる可能性のある被災者生活再建支援業務の要点について解説がありました。

中央大学のOBでもある、日野市防災安全課の吉田氏からは、現場の視点から日野市の防災対策や住民とのコミュニケーションの大切さなどをご紹介いただきました。

第29回 【教材あり】公務員志望学生向け防災・災害ボランティア入門講座

【サマリー】
東北地方太平洋沖地震をきっかけとして、災害救援や復興支援に関わる大学生が増えています。各大学による支援や、学生団体での活動も積極的に行われるようになっています。活動経験を活かしたい、地域の防災活動にも貢献したい、という学生や公務員を志望する学生向けの講座を行いましたので、本記事ではその一部をご紹介させていただきます。掲載内容についてのご意見やご要望、各種教材を使った研修等については「お問い合わせフォーム」よりお願いします。


本記事は2016年11月16日に中央大学多摩キャンパスで実施された講座のフォローアップ記事として作成しました。当日の講義内容についての概要をまとめています。

なお、文中記載の法制度に関する説明は、資料作成時点の内容となります。改正等により内容が変更となっている場合がありますことをご了承ください。

 

講座概要

講座は90分という限られた時間の中で3つのパートに分かれて行われました。以下は中央大学ホームページからの引用です。

◎講義1 「防災ボランティアに役立つ!自助・共助・公助のキホン
講師: 宮崎 賢哉 氏 (防災教育普及協会) ※弊会事務局主任を兼務
◎講義2 「災害ボランティアに役立つ!被災された方の生活再建支援」
講師: 高須 大紀 氏 (災害救援ボランティア推進委員会)
◎講義3 「災害時における公務員の役割~現場の声から」
講師: 吉田 敦紀 氏 (日野市防災安全課)

本記事では筆者が担当した部分について記載します。

 

講座資料

講座で配布・使用した資料は以下のとおりです。それぞれ公開されているサイトへのリンクを設定していますので、クリックするとブラウザで表示もしくはダウンロードができます。

 

講義「自助・共助・公助のキホン」

当日の講義はパワーポイントを使用せず、レジュメと板書にて行いました。

 

天災は忘れた頃に???

皆さんは寺田寅彦という方を知っていますか。戦前の物理学者であり、防災に関する様々な教訓、言葉を残していますが、特に有名な言葉(とされる)のひとつが『天災は忘れた頃にやってくる』というものです。寺田寅彦は1935年に亡くなっていますが、この事実と言葉は無関係ではありません。

人間は非常に忘れやすい生き物です。「エビングハウスの忘却曲線」という研究結果があります。人間が何かを一度覚えてから、もう一度思い出して覚え直す場合、時間が立てば立つほど難しくなるというものです。特にその覚える内容が(その人にとって)無意味な記号や数字であったり、接する機会が少ない情報である場合、覚え続けることも、思い出すことも難しくなります。

災害やその教訓を「自分にとって関係のあること」「身近なこと」として考えており、かつ「頻繁に接する」ような人は「天災を忘れる」ことはないかもしれませんが、多くの人にとってはそうではありません。正しい知識や教訓がテレビやインターネット、SNSがなかった時代、伝え続けること、記憶されることの難しさを寺田寅彦は忠告も兼ねて「天災は忘れた頃にやってくる」と表現したのかもしれません。

new_161116_1_31052575745_o (講義の様子)

 

忘れる前にやってきていた"巨大地震"、戦争の怖さ

1940年台初頭、1,000名以上の方がなくなる巨大地震が4年連続で発生していました。1943年の鳥取地震、1944年の昭和東南海地震、1945年の三河地震、1946年の昭和南海地震です。もし寺田寅彦が存命であれば「天災は忘れる"前"にやってくる」に変わっていたかもしないと思うほどです。ではその「巨大地震が連続する」という事実に対する教訓が広く後世に伝えられているかというとそうではありません。ある事情が詳細な記録、教訓が伝えられることを阻害してしまったからです。その事情が『戦争』です。

戦時中の報道管制や戦後の様々な混乱の中に埋もれてしまった情報、記録、教訓。つまり、戦争は人の生命や生活を奪うだけでなく、災害の教訓や記録さえも奪ってしまう恐ろしいものです。こうしたことからも災害対応や防災対策は単なる「教訓」として語り継ぐ、自主的・応急的な活動として取り組まれるだけではなく、明文化・形式化された「法制度」の一部に組み込まれていかなければならないということが分かります。

 

自助・共助・公助の考え方を理解する

具体的な法制度の話に入る前に、日本国民にとって重要な「知恵」のひとつである『自助・共助・公助』についてご紹介します。それぞれの言葉の意味は読んで字のごとくですが『まずは自分の身や家族の安全は自分たちでまもり(自助)、隣近所や地域で助け合い(共助)、公の支援を待つ(公助)』という考え方です。

この考え方をより分かりやすく理解していただくために、講座では簡単なゲームを行いました。筆者が開発した演習プログラム『Disaster-Information&Communication-Exercise:災害情報収集伝達とコミュニケーション演習』の概念を応用・簡略化した名付けて『自助・共助・公助体験トランプゲーム』です。

 

【教材】自助・共助・公助体験トランプゲーム

ルールは非常にシンプルです。人数としては5~6人から5~60人くらいまでが目安です。本記事では30名~40名程度で6班編成、学校の授業等を想定したルールを記載します。トランプの数を増やせば、より多くの人が同時に体験することができます。

但し、このゲームにおけるトランプは災害による『被害』や『復旧復興の過程』を示していますので、増えれば増えるほど大変になります。それも実際の災害と同様ですから、ハードな設定をご希望の方は倍くらいの数でやってみると良いでしょう。指導用スライドを『Slide Share』で公開していますので、必要に応じて指導の際にご利用ください。

 

事前準備

トランプ × 5箱(100円ショップので充分)
・トランプは全ての箱の中身を出し、5箱分をシャッフルします。
・その後、ランダムに53枚ずつ(各マーク13枚の計52枚+ジョーカー1枚)で箱に入れます。
・各箱から1枚ずつ適当に抜いておきます。これだけで準備完了です。

 

当日の進行とルール説明

(1)班編成する

・箱数+1でつくる(今回は6班)、1班人数は大体同じ人数にします。
・1つの班は『行政職員』役に指定します。
・他の班は『住民』役です。トランプを箱のまま1班1箱渡してください。

 

(2)ルールを説明する
・ルールはひとつ。『カードを指定された順番に戻す』ことです。
・混乱する状況を整理し、足りないカード、余るカードを調整し、元に戻していく作業を「被災から復旧・復興する過程」としてイメージします。
・指定された順番とは『スペードのA.K.Q.J.10…2→ハートのA.K.Q.J.10…2→ダイヤ、クラブの2』の順番です。分かりにくいので上記スライドの8ページ目をご覧ください
・足りないカード(事前に5枚抜いたカード)はジョーカーで代用します。
・ジョーカーやカードは『全てバラバラな状態=被災直後の混乱状況』です。
・『行政職員』役だけが「会場全体へのアナウンス=防災無線や広報車」ができます。
・『住民』役は、他班への行き来や会話は自由ですが大声での指示はできません。
・指示や全体の情報が欲しいときは『行政職員』役に頼むしかありません。

 

(3)制限時間を示してスタート
 
・制限時間は 10分間 です。
・この時点で参加者がイマイチ理解できていなくてもかまいません。
・とにかく「カードを指示通りの形に戻して持ってくる」よう指示してください。

 

(4)終了とまとめ
・全てのトランプが回収される、もしくはタイムアップになったら終了です。
・以下のような事後指導をすることで「自助・共助・公助」の大切さを感じてもらいます。

 

ゲームの特徴と指導ポイント

このゲームのポイントは『行政職員』役の動きです。行政職員役はカードがありませんから、直後に何をするかでその後の対応が変わります。ただ、災害時にどこでどんな被害が出ているか、つまりどこの班にどのカードがあるか分からないという点では、住民と同じなのです。従って住民がいきなり「なんとかしてくれ」と言ってきたとしても、行政職員役も状況が分からずどうすることもできないのです。

この状況と作業が『発災初期の状況、行政機能の低下』を示しています。

 

適切に対応するためには情報が必要ですが、その情報は『住民』役が自宅や周囲の被害を確認する、つまり手元のカードの過不足を確認することによって得られます。もしくは『行政職員』自ら地域に出て情報を集める、つまり各班に出向いてカードの情報を集めることが必要になります。

この状況と作業が『自助、まずは身近で情報収集と応急対応』の必要性と役割を示しています。

 

また、カードの過不足の調整を全体でやろうとすると混乱します。例えば「スペードの8はないか」と住民が探し回ったとします。3つの班をまわっても見つからないこともあります。なぜならカードはランダムですから、「隣の班がスペードの8を5枚持ってた」という状況もあり得るのです。こうした状況では、やたらに動き回るのではなく、隣近所との助け合う、つまり隣接する班と情報共有することが効率的です。

この状況と作業が『共助、隣近所や地域の情報共有・助け合い』の必要性を示しています。

 

隣の班と調整しても過不足があれば他の班にもカードを提供したり、受け取ったりしなければなりませんが、繰り返し述べているように、どのカードをどの班が多く持っているか、足りないかは分かりません。そこで重要になるのが『行政職員』役です。余ったカードや足りないカードの情報を行政職員役が把握できれば、全体にアナウンスをかけることで飛躍的に調整スピードが上がります。例えば『●●班にスペードの8がないので▼▼班のスペードの8を●●班に届けてください』という指示を出せば確実にカードを揃えていくことができます。

new_161116_2_31052576105_o (トランプゲームの様子)

『行政職員』役に情報を提供する流れは、被災後の公的支援を受けるための様々な手続きをイメージしています。つまり「わが家(班)でこんな被害が出たから支援して欲しい」と伝えることです。ただ、その情報を伝えたからといってすぐに対応してもらえるとは限りません。

 

ゲームでは「分かりました、すぐにやります」でも構わないのですが、実際は大変な時間がかかります。そこで必要になるのが、実際に支援を受けるために必要な「被害を受けていることを証明する」書類です。つまり、り災証明書や被災証明書の発行なのです。 この状況と作業が『公助、被災状況を確認してからの対応と、支援の手続き』の必要性と役割を示しています。

 

カードをスムーズに整理するためには全員の協力が必要です。『行政職員』役にとても強力なリーダーがいて、徹底的に指示を出したとしても、実際の整理作業にあたるのは参加者1人1人なのです。『住民』が非協力的だったり、指示を理解しなかったりしたら、作業は遅れてしまい時間内に完成できません。逆に1人1人が自分のこととして、自助、共助、あるいは公助の役割を理解して望めば時間内に完成させることは難しくありません。 事前指導と事後指導を含めても20分程度でできますので、防災講座や研修会のアイスブレイクとして実施していただくのもよろしいかと思います。

 

災害救助法について

ここからは関係法制度の説明ですが「法律や制度なんて面倒くさい、そんなの知らなくても何とかなる」と思われるかもしれません。ただ、前述したように法律や制度とは過去の災害の教訓や知見が集約された重要な「財産」なのです。何より公務員・行政機関は法令を遵守することが前提ですから、あらすじだけでも理解しておいて損はありません。 「災害救助」とありますが、被災地に必要な救助とは一体何でしょうか。法律上は10種類が定義されています。

 

ポイント:救助の種類

① 避難所、応急仮設住宅の設置
② 食品、飲料水の給与
③ 被服、寝具等の給与
④ 医療、助産
⑤ 被災者の救出
⑥ 住宅の応急修理
⑦ 学用品の給与
⑧ 埋 葬
⑨ 死体の捜索及び処理
⑩ 住居又はその周辺の土石等の障害物の除去

また、これらの救助を行うにあたっての原則があります。『平等・必要即応・現物給付・現在地救助・職権救助』の5原則です。それぞれについての細かな解説は本記事では割愛しますが、最初の原則『平等』について少し補足しておきましょう。

 

ポイント:平等と公平の違い

『平等』と『公平』の違いとは何でしょうか。平等とは「全員が同じ」救助・支援が受けられることです。法律上、お金や権威のある無しで救助・支援に差があってはいけないという考え方です。ただ、筆者も経験がありますが「平等にはできない場面」も存在します。

避難所で水を配布しようとしたら足りないことがわかった。でも配給の列には1歳半の乳幼児を連れたお腹の大きいお母さんがいる。「平等」に配ったら列の後方に並ぶそのお母さんに水は渡らない。「平等」にならないから水の配布を中止すべきか。難しい状況です。

例えば、「現在、水が不足しています。列に妊産婦さんや乳幼児をお連れの方がいれば優先します」というルールをアナウンスをしたとします。「平等」ではありませんが「妊産婦や乳幼児には水が必要であり、そのルールを他の人も守っている」ということが徹底されれば、列に並ぶ人も納得できます。それがルール下における『公平』という考え方です。嘘偽りでもらおうとする人がいるかもしれませんが…それは話が逸れるので別の機会とさせてください。

 

ポイント:救助に係る費用と柔軟な判断

平等にせよ公平にせよ救助を行うためにかかる費用があります。もし都道府県や市区町村が「お金がないから救助できません」となってしまったら大変です。都道府県が支弁する救助費用が一定額以上になった場合は税収に応じて国が負担します。 お金が発生する以上はいろいろな基準が必要です。限られた財源を効果的に使わなければならないわけですが、かといって杓子定規に判断するのも考えものです。

そこで、救助法の適用基準や各種の支援は柔軟な判断が適用されるケースもあります。 広域避難者(被災都道府県から避難して他の都道府県に避難・居住する方)をどう支援するか、その経費はどうなるか。避難指示がなく自主的な避難であったら?仮設住宅ではなく民間の施設を借り上げる「みなし仮設」の予算は?帰宅困難者に救援物資を提供した民間施設の支出はどうなる? 防災担当部署だけでなく、土木建築・道路整備、環境、福祉など様々な部署が関わる課題です。本記事では細かく説明しませんが、講座である程度紹介しています。

 

災害対策基本法について

災害救助法の後に定められたのが災害対策基本法です。そのきっかけとなった災害が『伊勢湾台風』です。 伊勢湾台風は東海地方を中心に県をまたがって大きな被害を出しました。非常に多くの市町村に災害救助法が適用されましたが、市町村・県を越えた災害ということで、事務処理その他はじめ様々な対応に課題が出ました。 そうした教訓から、平時の防災対策や国・都道府県・市区町村の役割を明確にしておくために定められたのが災害対策基本法です。日本の防災対策の核となる法律です。国家・地方、消防警察自衛隊、いずれの公務に携わりたいと思っている方もぜひ一読していただきたい法律です。

 

ポイント:住民の責務とボランティアとの連携

災害対策基本法もいろいろと紹介したいことがたくさんあるのですが、本記事では住民の責務とボランティアとの連携について触れます。「防災は誰の責任か」と考えたとき、実は「住民の責務」ということが定められています。それは「自ら災害に備え、自発的に訓練に参加すること」です。法律上の責務として明記されているのですから、防災の責任の一部は私たち国民ひとりひとりにあるのです。

もちろん、国や都道府県、市区町村は防災計画を定め推進していかなければならないことも定められていますが「何でもかんでも行政の責任だ」というわけではないことが分かります。そのことは前述した「自助・共助・公助体験トランプゲーム」の部分でもご理解いただけているかと思います。 『自助・共助』の概念として比較的新しいのがボランティアとの連携です。第五条の三に以下のような文面があります。

 

  • (国及び地方公共団体とボランティアとの連携) 第五条の三 国及び地方公共団体は、ボランティアによる防災活動が災害時において果たす役割の重要性に鑑み、その自主性を尊重しつつ、ボランティアとの連携に努めなければならない。

 

努めなければならない、なので努力義務ですが行政とボランティアの連携が明文化されたということは、防災・災害ボランティアに関わる者にとっては大きな前進なのです。学生団体などで日頃から地域で活動している皆さんは、その活動が法律上も定められた重要な活動であることを知ってほしいと思います。

 

被災者生活再建支援制度について

筆者が勝手に「防災3法」と呼んでいる最後の1つが『被災者生活再建支援法』です。これは1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに生まれた法制度です。自宅等に被害を受けてしまった方を支援する国の仕組みとして生まれました。被災された方の「ゴール(目指すところ)」は一言では表せませんが、重要になるのが「生活再建」という言葉です。文字どおり「生活」が「再建」できたと感じられる、思える状態です。

 

ポイント:生活再建に必要なこと

では具体的に何がどうなったら「生活」が「再建」できたと感じられるのでしょうか。阪神・淡路大震災において行われた調査では『すまい』と『人と人とのつながり』が重要であるという結果が出ています。つまり、仮設住宅など「自分のすまいとして考えにくい」状況にいる間や「人と人とのつながりが以前のようになれない」状況では、"災害は続いている"と考えられるということです。 「すまい」の再建にはどうしても時間とお金がかかります。だからこそ『公助』、災害救助法や被災者生活再建支援法に基づく公的な支援が必要です。

ですが、「人と人とのつながり」は、私たち一人一人の行動でより良いものにしていくことができます。むしろそれは法律や制度で定めたからといって、良くなるものではないのです。 大学が地域と関わるボランティア活動はもちろん、自らが被災してしまったときも、あるいはどこかに支援にいくときも「人と人とのつながり」をつくることが重要だということが、法制度の意味を含めてご理解いただけたでしょうか。

 

講義まとめ

筆者は法制度の専門家でもなければ公務員でもありません。ですが、阪神・淡路大震災から始まり、様々な被災地支援や復興支援活動に携わるなかで経験してきた現地の課題や教訓が、法制度の改正によって少しずつ良くなっていることを感じています。 まだまだ課題はあるかもしれませんが、法律や制度は人を縛り罰する部分もある以上に、人を守り、助けてくれるものでもあるのです。

特に本記事で紹介した3つの法律は先人の教訓と知恵が盛り込まれており、何よりも被災された方、災害の犠牲となった方、その遺族の方の声なき声が含まれたとても意味深い法律だと思っています。 もし公務員を志望される学生さんが本記事をご覧になっていただけているようでしたら、皆さんが公務員となったとき、もし災害が起きたらぜひそのことを思い出してください。部署や仕事に関係なく、何かできることがあるはずです。

長文最後までお読みいただきありがとうございました。

 


【筆者】※「防災ミニ講座」の内容は筆者の見解であり、組織を代表するものではありません。
宮﨑賢哉(社会福祉士)
 災害救援ボランティア推進委員会主任/(一社)防災教育普及協会事務局長
 (公財)日本法制学会防災福祉グループ長

在学中からセーフティリーダーとして被災地支援活動に参加。2005年(公財)日本法制学会入社。大学での災害救援ボランティア講座や防災教育を担当。防災教育コンサルタントとして都立公園運営管理や、社会福祉士としての活動にも取り組む。

2017年度 防災教育チャレンジプラン募集のお知らせ

2017年度 防災教育チャレンジプラン募集要項

 

1.募集の概要

防災教育チャレンジプランでは、全国で取り組まれつつある防災教育の場の拡大や質の向上に役立つ共通の資産をつくることを目的に、新しいチャレンジをサポートいたします。そのプランの準備・実践に当たって発生する経費を支援し、実現に向けて防災教育チャレンジプランアドバイザーが伺うなどして相談などの支援を行います。
 応募の中から選ばれたプランは、活動計画について前年度の活動報告会(最終報告会)で発表、さらに1年間実践した結果を、交流フォーラム(中間報告会)と活動報告会(最終報告会)で成果を発表していただきます。活動報告会(最終報告会)においては、優秀な実践活動に対して防災教育大賞、防災教育優秀賞、防災教育特別賞を授与いたします。
 また、皆さんのチャレンジプランの成果はホームページなどで広く公開いたします。

 

(1)サポート内容

■プランの実践にかかる経費の提供/ 上限 30 万円(査定による)
※活動・予算計画書の提出及び団体名義の口座が必要となります。

■交流フォーラム(中間報告会)・活動報告会(最終報告会)発表者への交通・宿泊費の支給。(1名分×3回分)

■プランの実現に向けて、実行委員会が認定する防災教育チャレンジプランアドバイザーが助言や現地指導等の支援を行います。

(2)表彰

■活動プロセス及び成果に対して審査を行い、優秀な実践活動に対して、防災教育大賞・防災教育優秀賞・防災教育特別賞を決定し、 表彰状と盾を授与いたします。

■防災教育チャレンジプラン「サポーター」として認定いたします。

(3)活動例

詳しい活動例は、募集リーフレット[PDF]arrow001_blueをご覧下さい。

 

 なお、気象災害を対象とした活動を行う団体に対しては、決定後に国立研究開発法人 防災科学技術研究所 気象災害軽減イノベーションセンターが設立した気象災害軽減コンソーシアムより、専門家によるアドバイスを受けることも可能です。 詳しくはこちらをご覧下さい。

 

2.応募資格

●防災教育を一層充実させたいと考えている教育・社会福祉施設(保育施設・幼稚園・学校等)、教育委員会、NPO、民間企業、個人、地域団体(民間事業所、各種団体、行政機関)

●採用された場合は、都内にて開催予定の実践団体決定会、中間報告会、最終報告会の計3回の会合に出席できること。

 

3.応募部門(プランの対象別)

A.保育園・幼稚園の部  B.小学校低学年の部   C.小学校高学年の部
D.中学校の部      E.高等学校の部     F.大学・一般の部

 

4.応募締め切り

2016年11月25日(金)15:00まで に応募企画書をホームページにアップロード

 

5.応募方法

応募を希望される方は、以下のページより事前登録をお願いします。
事務局より応募用紙の電子ファイル及び提出先を案内いたします。

●応募 ・・・ 事前登録ページarrow001_blue

※土日祝日の受付を除き、応募後2~3日で事務局より応募受付完了メールを送付いたします。
(受付完了メールが届かない場合は、必ず事務局までご連絡ください。)

※応募企画書提出をもって応募となります。事前登録だけでは応募になりませんのでご注意ください。

※1団体1申請が原則です。複数プランへの応募は(プランが違っても)できません。応募する場合は必ずいずれか一つのみに応募してください。

※団体ごとに「事前登録→企画書提出」の手続きをし、事前登録者と応募者の名前を一致させてください。代理人による事前登録は認められません。

 

6.応募結果

「防災教育チャレンジプラン実行委員会」の選考により決定します。
審査の結果は、事務局よりメールにて応募団体へご連絡します。(応募締め切り後1ヶ月程度)
※メールが正しく受信できないことによる連絡の遅れ等について事務局では責任を負いかねますので、事務局からのメールが受信、確認できる環境でご応募ください。

 

審査の   
観点

■プラン実施により地域防災力の向上に貢献できること

■応募された防災教育プランの有効性・新規性

■活動の中に新しいチャレンジの要素が含まれているもの

決定発表

■当年度の活動報告会(最終報告会)の会場にて、次年度チャレンジプランの計画を発表いただきます。

 

7.問い合わせ

防災教育チャレンジプラン実行委員会事務局
E-mail: / FAX:03-3556-8217