防災ミニ講座

第10回 防災体験学習施設「そなエリア東京」に行ってみよう!

第10回 防災体験学習施設 「そなエリア東京」に行ってみよう!

宮﨑 賢哉(ミヤザキ ケンヤ)、防災教育コンサルタント/社会福祉士

災害救援ボランティア推進委員会主任/(社)防災教育普及協会事務局長 兼務

【サマリー】

 「もし、東京で大きな地震が起きたら・・・?」そんな不安を持つ人は少なくないはず。ご紹介する「そなエリア東京」(ホームページ:東京臨海広域防災公園)には、そんな状況をジオラマで体験できるツアーがあります。本講では、まだ行っていない方はより楽しくより学びが深くになるように、もう行った方は新たな視点で体験できるように、ご紹介します。


本講の内容

 

はじめに

1 東京臨海広域防災公園と「そなエリア東京」

2 そなエリア東京に行ってみよう!(関東圏の方)

3 そなエリア東京に行ってみた方へ

4 事前・事後学習


はじめに

地震などで家やビルがくずれて、中に閉じ込められてしまったり、動けなくなってしまったとき、72時間(3日間)を過ぎると命が助かる人は少なくなってしまうと言われています。「黄金の72時間」とか「72時間のかべ」と呼ばれています。1995年に起きた阪神・淡路大震災(はんしんあわじだいしんさい)では、多くの人がこの72時間以内に近所の人や通りがかりの人など身近な人に助けられました。

消防士や消防団、警察官(けいさつかん)など、普段から人の命を守っている人達も、市役所等で仕事をしている人も、大きな災害が起きるとすぐに動くことができません。また、一度にたくさんの人が助けを求めるので、どこも人数が足りなくなってしまいます。そして、いろいろな所から応援が来て、みんなのところに助けが来るまで3日間(72時間)から7日間(一週間)かかる、と言われています。

つまり、災害発生から72時間(以上)は『自分(や家族)の身は自分で守る』という気持ちを持つことが大切です。

 そなエリア東京には「東京直下72時間ツアー」という、地震発生から72時間にどんなことが起きるか、どんなことに気をつけたらいいかを学べるツアーがあります。ここでは、そのツアーを中心に「そなエリア東京」について紹介します。

 

1 東京臨海広域防災公園と「そなエリア東京」

(1)東京臨海広域防災公園って?

(以下ホームページより)

東京臨海広域防災公園は、首都直下地震等の大規模な災害発生時に、現地における被災情報のとりまとめや災害応急対策の調整を行う「災害現地対策本部」等が 置かれる首都圏広域防災のヘッドクォーター及び広域支援部隊等のベースキャンプ、災害医療の支援基地として、東扇島地区(川崎市)の物流コントロールセン ターと一体的に機能する防災拠点施設です。

事業にあたっては、平常時の活用も考慮して、都市公園事業により国土交通省と東京都が役割分担を行い整備することとされ、(1)平常時には関係機関が連携 して防災に関する情報交換や各種シミュレーション・訓練など、発災時に備えた活動を行う場 (2)広く国民がさまざまな体験・学習・訓練を通じて、 防災への関心を高め、実際に災害に対応できる知識や知恵、技術、自助・共助の心を習得する場 (3)臨海副都心の都市集積・集客性を生かした魅力ある空間  とするものとして整備をおこなっています。 国営公園の面積は6.7ha、都立公園の面積は6.5haであり、合計13.2haになります。

・・・

つまり、大きな災害が起きたときは国の防災拠点(ぼうさいきょてん)として、普段は防災訓練や防災教育が行われる公園が「東京臨海広域防災公園」です。

 

(2)そなエリア東京って?

東京臨海広域防災公園内にある、防災体験学習施設です。

2階に情報ラウンジ、防災ギャラリー、映像ホール、レクチャールーム、オペレーションルーム見学窓、

1階に東京直下72ツアー(体験エリア)があります。

(以下ホームページより)

『東京直下72hツアー』

72時間をどう生き残るか

組織的な救助活動がおこなわれるのは、地震発生のおよそ72時間後と言われています。では救助が困難なその72時間を生き残るためにどうするか。
首都直下地震の発災から避難までの一連の流れを体験できるツアーです。

発災 → 脱出 → 再現被災市街地 → 避難場所

・・・

そなエリア東京では地震発生から72時間の流れを体験できるだけでなく、防災に関する様々な学習をすることができます。体験だけであれば1時間ほどで終了しますが、その他のエリアの見学等もする場合は1時間半~2時間ほど時間をとってきてください。

 

2 そなエリア東京に行ってみよう!

そなエリア東京は、りんかい線「国際展示場」駅や、ゆりかもめ「有明」駅からすぐ近くにあります。

東京臨海広域防災公園「そなエリア東京」へのアクセス

駐車場はありませんので、個人の方は公共の交通機関を利用してください。

団体の方はバスが駐車できますが、事前に体験予約が必要です。時期によってはかなり混雑していて、希望する日時に体験できない場合があります。予定が決まったら、なるべく早く予約を入れるようにしてください。

個人の方であれば、予約をしなくても体験できますが、団体の予約が入っている場合は待つ場合もありますので、心配なときは事前に電話で確認してください。

 

東京臨海広域防災公園管理センター  TEL:03-3529-2180

 

3 そなエリア東京に行ってみた方へ

防災クイズの結果はいかがでしたか?簡単だと思った方も、難しかったと思った方も、いろいろと学びがあったのではないでしょうか。

防災クイズにはさまざまなバリエーションがあり、皆さんが体験するクイズはそれぞれ異なっています。次回、体験をするときはまだ解いたことのない問題が出るかもしれません。それを確認するのもひとつの楽しみ方です。

 

また、そなエリア東京では様々なイベントを毎月実施しています。

防災体験学習施設としてだけではなく「公園」としてもぜひ利用してみてください。

(参考)2014年5月のイベントチラシ

 

4 事前・事後学習

そなエリア東京での体験は楽しいものですが「楽しかったね」で終わらないような工夫が必要です。

例えば、事前に

・ 地震はどうやって起きるのだろう?

・ これまでに東京では地震でどんな被害を受けたのだろう?

・ 地震が起きたらどんなものを準備しておけばいいのだろう?

といったことは事前に勉強してから体験すると、もっともっと「そなエリア東京」での防災体験が楽しくなります。

また、体験した後には

・ どんなクイズが難しかったか(簡単だったか)

・ どんな防災対策をしようと思ったか

・ どんな体験、お話が印象的だったか

といったことを、当日参加された方々で話し合ってみても良いでしょう。

 

防災について学べる機会は限られています。特に防災体験学習施設は当然ながら「行かないと体験できない」場所です。

地震の多い国日本で暮らす私たち。「そなエリア東京」で地震や防災のことを、家族やお友達と一緒に改めて考え、学んでみませんか。

 

(了)


お問い合わせは 03-6822-9900 まで