防災ミニ講座

第22回 避難所運営ゲーム(HUG)研修・授業実施のポイント

 

本記事は静岡県が開発した教材「避難所(H)運営(U)ゲーム(G)」を用いた研修会、授業を実施するにあたってのポイントをまとめたものです。実施の環境や条件によって適切な実施方法などは異なる場合がありますので、予めご了承ください(2015年4月現在)。

本記事についてのご質問やご相談が増えております。大変お手数ですが、お問い合わせは こちらのメールフォーム  からお願い致します。順次担当より折り返しご回答申し上げます。


避難所運営ゲーム(HUG)について

◯ 避難所(H)運営(U)ゲーム(G)、一般住民向けシミュレーション型訓練。
◯ 目的:避難所で起き得る状況の理解と適切な対応を学ぶ。
◯ 概要:ある市の避難所運営を任されたという想定の下で、次々にやってくる避難者の状況や要望を考慮しながら、迅速かつ適切に対応する術を学ぶゲーム様式の教材。
◯ 配役:進行役1名、プレーヤー最大9名/班程度(うち記録係1名、発表担当1名など)。

 

研修・学習目標の考え方

HUGを使った研修や授業をより効果的にするための、研修・学習目の考え方についてご紹介します。具体的に設定したほうが指導者の方も参加者も理解しやすいかと思いますが、実施環境や参加者の状況に合わせてご検討ください。

 

児童生徒対象「避難生活や平時の備えについて考えるきっかけとして」

児童生徒が保護者や教職員と共に、避難者として避難所運営に関わることも考えられます。HUGを使うことで避難所運営や避難生活にどんな難しさがあるか、自分たちに何ができるか、普段からどんな備えをしておいたらよいかといった点について、具体的に考えるきっかけをつくることができます。

教職員対象「マニュアルのチェックや施設利用方法の検討手段として」

学校独自の、あるいは市区町村等から出された「避難所運営マニュアル」などがある場合は、HUGを使うことでマニュアルに記載された通りの運営ができるかどうかを確認することができます。とくにマニュアルなどが整備されていない場合は、どの施設・教室を何のために開放するのかなどを検討するための手段としても有効です。

自治体職員対象「避難者の特性に配慮した運営方法を考える」

HUGのカードには様々な避難者が想定されています。乳幼児や妊産婦、高齢者、障害者、外国人、傷病者や遺児なども含まれています。自治体職員として公平・平等の考え方は大切にしながらも、配慮が必要な方にはどのように対応したらよいのかを限られた時間で考え、話し合うことで、その後のマニュアル作りや既存のマニュアルの改善などに活かすことができます。

自主防災組織対象「住民主体の避難所運営を学ぶ機会として」

避難所の運営主体は、自治体職員や施設職員(学校教職員や、体育館の指定管理者等)ではなく、あくまで住民(避難者)主体である、というのが原則です。とはいえ、施設を利用する以上は、何でもかんでも住民(避難者)で決めてよいというわけでもありません。もし施設でマニュアルが作成されていれば、それを用いて研修を行うことがよいでしょうし、作成されていなければ、住民目線で実施した結果について施設の方と共有し、実践的なマニュアルづくりにつなげていく、といったこともできます。

 

所要時間と定員の目安

2時間から3時間程度を推奨します(教材の使い方を簡略化すれば45分程度でも可能です)。定員については教材さえあれば多くても少なくても、それほど影響はありません。講師や指導員が1名の場合、全体を細かくチェックできるのは50人くらいまででしょうか。550人以上で同時に行う場合は、補助的な指導員やサポートスタッフを用意するなどの工夫が必要な場合もあります。

 

実施環境と使用備品

島形を作り、1班5〜7人くらいで行います。机は学校等にある長机を2〜3つ合わせたくらいがちょうど良いです。説明や指導、状況付与でプロジェクターや黒板を使用する場合もありますので、配置は下記イラストのようにすると参加者が見やすくなります。HUGの教材セットのほか、水性マーカーや付箋紙などもあると作業で役立ちます。 new_hughaichi

事前準備のチェックポイント

HUGを実施する前に行う事前準備のチェックポイントを整理してみました。必要な項目を確認していただくと、スムーズに運営できます。

◇ 日時や会場は問題ありませんか。

・2時間~3時間の実施時間は確保できていますか。
・2時間以下の場合は講師や指導員の方と、詳しく打ち合わせることをお勧めします。
・会場は可動式の机、椅子になっていますか。
・プロジェクターやスクリーン、ホワイトボードなどは使えますか。
・1班は5~7名くらいとして、班の机は長机2~3つくらい必要です。
・レイアウトは参加者から講師や指導員、スクリーン等が見やすくなっていますか。

◇ 教材や資料は用意していますか。

・HUGのカードセットや間取り図のデータは講師から借用するか購入しておきます。

◇ 避難所運営マニュアルやガイドラインはチェックしましたか。

・自治体や学校でマニュアルやガイドラインを発行していたらチェックしておきます。
・講師、指導員を外部に依頼している場合は、マニュアル等の情報を共有しておきます。
・とくに作成されていないようであれば、ぜひこの機会に作成を検討してみてください。

 

実施内容について

こちらで紹介する内容は教職員や地域住民向けの実施内容です。

 

手順

  1. 進行役が避難者の情報等が書き込まれたカードや、何らかの事態発生を知らせるカードを読み上げる。【実際に避難者が来たと想定してください】
  2. プレーヤーは読み上げられた情報に基づき、避難者カードの場合は、配置を決め、その場所にカードを置く(図参照)。事態発生への対応も決定する。
  3. 進行役は、プレーヤーに時間的余裕を与えることがないように次々にカードを読み上げる。
  4. ゲーム終了後、避難者の配置や事態対応の是非について話し合い、よりよい避難所運営方法を学ぶ。


(図1 HUGカードと各種図面の使用例)

 

演習の前提条件(一般的な例、首都圏)

  • 地震発生:[ 季節 ]の [ 平日・祝祭日 ] 、[ 午前・午後 ]、[ 時間  ]。この地区では一部で最大震度7を観測。
  • 生徒は不在の想定、数名の教職員が初動対応にあたっている。
  • 参加者は発災から [ 時間 ]後に集まった、住民や教職員(管理職)、自治体職員等の立場になります。
  • 同じグループの人は、いちはやく学校に到着したつもりで、次々にやってくる避難者の状況や要望を考慮しつつ対応する。突発事態にも対応する。
  • 任された避難所:学校が避難所になったと想定します。管理職や他の教員は出勤しておらず、自治体担当職員も駆けつけることができない状況(つまり、規定のリーダーは不在の状況)と考えてください。
  • カードの大きさは、ほぼ避難者1人分の面積に相当します。避難者をどこに割り当てるか決めて、そこに置いてください。自動車やペットなどは、ポストイットに記入して貼付するか、別添シートに直接記入してください。
  • 記録係は質問への回答や、とった対応、出てきた疑問や意見等を記入してください。
  • その他、細かな設定は各グループで決めていただいて結構です。

 

避難所となる学校・地域の状況設定例

  • 電気:停電しており、復旧の見通しはたっていない。
  • ガス:供給が停止されている。
  • 水道:断水している。
  • 電話:携帯電話は輻輳でかからないが、メールは使える(遅れる)。学校の職員室に設置してある電話は災害時優先回線で地震時でも使える状態。
  • トイレ:水が流れない、出ない。
  • 被害:体育館や教室等、校内に大きな被害はない。一部の教室ではガラスの破損などが見受けられた。
  • 備蓄品:(実際に参加者の所属校で用意されているものがあればそれを参考)

 

HUGをはじめる前の説明事項例

  • 役割(リーダー、記録役、進行役)を決めてください。
  • A4の教室用紙は使っても使わなくても構いません。
  • 中学校や高校の場合は教室を3年生までとし、校内図で4年生以上の教室を使わないようにしてください。
  • ポストイットは状況への対応やメモ、記録にご利用ください。
  • 記録役は状況への対応結果を適宜記録してください。
  • リーダー以外の役割は交代しながら進めてください。
  • カードは重ねて置かないでください(1人1枚のスペースを確保)。

 

HUG研修実施後の指導ポイント例

  • HUGで学ぶこと:起きる状況の理解と適切な対応を考える
  • 時間経過とともに、避難所の役割も変化します。
  • HUGは、初期の避難所運営に関わる問題を理解してもらうための教材です。
  • 事前の避難所運営マニュアルの作成、検証、訓練が重要です。

 

  1. 避難所の開設は誰が行うか。
  2. 受付の設置、避難者リストの作成、被害まとめをどうするか。
  3. 避難者の適正配置、スペース確保ができるか。
  4. 屋外避難希望者等への対応ができるか。
  5. 食事や飲料水、毛布等の提供はどうするか。
  6. 傷病者対応や救助要請への対応はどうするか。
  7. 救援物資の要請と管理方法をどうするか。
  8. 情報提供や注意事項の伝達ができるか。
  9. 避難所運営ルールの取り決めはできるか。
  10. 避難所の環境整備等をどう行うか。
  11. 市災害対策本部との連絡、要請と対応はどうするか。
  12. ボランティアやマスコミへの対応はどうするか。
  13. 避難所運営本部の設置と組織化をどうするか。 など

 

振り返り

HUGの実施後、できれば15分~30分ほど振り返りの時間をとります。「どんな課題、気付きがあったか」や「どんな備えや行動が求められるか」といった点について、参加者同士で話し合ってもらうと、様々な意見が出てきます。できる限り具体的な課題、対策を挙げてもらうようにするのがポイントです。

 

HUG実施時のまとめ(例)

小学校、中学校、その他の一部施設は避難所として市区町村から指定されてはいるものの、あくまで教育等のための場であり「生活の場」として考えられている施設ではありません。その施設としての第一義的な役割、学校であれば「児童生徒や教職員の安全・安心」等が揺らぐような体制や運営を避けるためにはどうしたらよいのかを考え、備えておくことが必要です。 また、本来はなるべく避難所で生活してなくてもよいことが重要(在宅避難=家屋が無事であれば、ライフラインが断絶していても生活できる備えをする)なので、避難所運営そのものだけでなく、平時の備えについても考えられるような"まとめ"が求められます。

 

Point 災害時における学校の役割
  1. 児童生徒と教職員の安全確保
  2. 自宅等で生活できない近隣住民や帰宅困難者のための避難所(一時避難先)
  3. 学校に避難していない「自宅(在宅)避難(被災)者」も含めた、生活支援・生活再建の拠点

 

Point 運営ルールと生活ルール
  • 運営ルールとは、施設のどの場所を何のために使うかなど、予め決めておくことができて、なるべく変更しなくてもよいルールのことです。マニュアルなどで具体的に定めておき、地域住民や施設管理者(学校教職員等)が共有しておくことが重要です。
  • 生活ルールとは、避難してきた住民(避難者)や施設管理者が、その避難所の状況に合わせてつくる避難生活上必要なルールのことです。避難者数や被害状況により変化しますので、柔軟に作成または更新し、その都度関係者全体に周知徹底することが重要になります。

 

フィードバック(評価)

振り返りシートやアンケートなどで、研修や授業についてのフィードバックや評価を確認できると、次につなげることができます。振り返りで出てきた課題や気付き、対策などはマニュアルや今後の防災対策全般にも活用できる情報ですので、なるべく文面で残してもらえるようにします。

 

[参考動画:発災直後の避難所における要援護者トリアージ]

※映像につきましては 武蔵野地域防災活動ネットワークCOSMOS/日本赤十字看護大学 へお問い合わせください。

 

(宮﨑賢哉・社会福祉士)
災害救援ボランティア推進委員会主任/(一社)防災教育普及協会事務局長
[プロフィール]阪神・淡路大震災以降、各地の被災地で活動。2005年(公財)日本法制学会入社。災害救援ボランティア推進委員会で大学講座、学生活動支援を担当。2014より(一社)防災教育普及協会事務局長を兼務。社会福祉士として要配慮者の防災活動等にも取り組む。

第21回 災害救援ボランティア講座10年と大学・学生への普及

第21回 災害救援ボランティア講座10年と大学・学生への普及

宮﨑 賢哉(ミヤザキ ケンヤ) — 防災教育コンサルタント/社会福祉士—

災害救援ボランティア推進委員会主任/(社)防災教育普及協会事務局長

 

【サマリー】

筆者が東京地区(大学)での災害救援ボランティア講座に関わってから今年で10年となりました。この10年間、災害救援ボランティア講座を受講する学生(大学生~中高生や専門学校生も含む)が増え続けています。今や一年間で認定するセーフティリーダーの6割から7割は学生で、SL認定者総数の43%が学生(講座修了当時)という状況にまでなっています。学生SLがこれからの社会を担う一員となることで、日本の防災力向上につながることが期待されます。

 


 

▼この10年、災害ボランティア講座を受講する学生が増え続けている

筆者が担当している東京都内を中心とする大学での「災害救援ボランティア講座」ですが、年々開講数が増えています。平成16年度は年間10回だった講座全体の開講数が、平成26年度には19回とほぼ倍の開講数になりました。

これに伴って「講座修了生数」も年々増え続け・・・と言いたいところですが、そうでもありません。平成16年度の講座修了生総数は377名に対し、平成26年度は454名でした。10年前と比較して倍の回数、講座を開講しているにも関わらず、修了生数の伸びは20%程度に留まっているということであり、1回の講座の受講生数は減少している、ということを意味しています。

 

「東日本大震災が起きて、災害救援ボランティアについて知りたい人が増えたはずでは?」

と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。それは統計値でも裏付けられています。平成24年度、平成25年度はいずれも500名を越える修了生数となっていますが、平成26年度では500名に至りませんでした。

東日本大震災など、大きな災害が起きてからある程度の期間が経つと、災害救援活動や防災への社会的な関心は”相対的に”低下していく傾向にあります。そのことが、弊会の講座受講生数にも影響していると考えられます。

 

ただ、減少しているだけでなく大きく上昇しているポイントもあります。そのポイントは、今後数十年の防災対策や災害ボランティア活動にも良い影響をもたらすポイントです。何かというと【修了生数に占める学生(大学生、中高生・専門学校生)の割合】です。

具体的なデータを示すと、平成16年度では33%しかなかった学生の割合が、平成22年度には71%になり、平成26年度においても64%まで上昇しています。

災害救援ボランティアや防災に関する講座は様々なものが開講されていますが、これほど顕著に、かつ継続的に若者が参加し続けているのが、弊会講座の特徴でもあります。

 

gakuseihiritu
表1 講座修了生数に占める学生の割合(黄色マーク)

 

▼「大学で開講する」ことではなく「大学が開講する」ことに意味がある

こうした特徴を生み出したのは「大学が主催して講座を開講する仕組み」を弊会が持っていることにあります。専門的な知識や技能を有する外部団体が、大学が主催する災害救援ボランティア講座に協力し、大学は、講座を受講した学生や教職員がともに、平時の防災活動や災害時の協力体制構築をしていく仕組みです。

 

大学主催の講座を数多く実施している東京地区に関するデータを示します。

平成16年度の修了生数は、186名中91名が学生(5回開講)でした。

平成26年度の修了生数は、297名中227名が学生(12回開講)でした。

数値を比較すると修了生数が62.6%増、学生比率は27.5%増、開講数は7回増えています(神奈川地区、千葉地区は修了生総数、学生比率いずれも減少)。

 

累計値ですが、学生の講座修了生数が多い大学ベスト5は次のとおりです。

 

1位 明治大学 451名(参考リンク:明治大学駿河台ボランティアセンター
2位 専修大学 360名(参考リンク:専修大学講座実施記録
3位 中央大学 351名(参考リンク:中央大学講座実施報告
4位 法政大学 295名(参考リンク:法政大学ボランティアセンター
5位 富山大学 245名(参考リンク:富山大学災害救援ボランティア論

 

いずれの大学も大学やボランティアセンター等が中心となって、災害救援ボランティア講座を開講しています(学生、教職員が対象で一般の方は受講できません)。こうしたデータからも「大学が災害救援ボランティア講座を主催」していく仕組みが、多くの学生の参加につながっていることが分かります。受講する学生さんや教職員の方にとっても「大学が主催している」と思えることは、安心感にもつながります。

 

一般的に外部団体による講座は、修了後は該当団体での活動や参加を前提としたものが多いのが特徴ですが、弊会の大学における講座は前述のように「大学による、大学・学生・教職員のための」講座を目指しています。それは結果的に大学がある地域の住民や、帰宅困難者支援のためでもあります。

 

明治大学災害救援班専修大学SKV法政大学チームオレンジなど、各大学で講座を修了した学生が参加する学内活動も積極的に行われていますので、関心のある学生さんや教職員の方は、各リンクからぜひチェックしてみてください。

 

▼学生が災害ボランティアや防災を知ることは、日本の防災力向上につながる

災害はいつ起きてもおかしくない状況であることに変わりはありませんが、今後20年、30年に渡って社会を支えていくことになる学生・若者が、在学中にこうした講座を受けていただくことは、将来的な日本の、地域の防災力向上につながります。

 

大学主催による災害救援ボランティア講座の開催は、筆者のライフワークでもありますので、その意味でも、この10年間の活動のなかでこうしたデータを出せたことはうれしく思います。できれば、修了生の総数も増やしていきたいところですが、こればかりは少しずつ進めていくより他にありません。

人数も大事ですが、1回1回の講座、ひとりひとりの受講生、そして担当者の方を大切にしながら進めていくことが重要だと考えています。首都圏内の大学を中心に、下記のようなご提案もさせていただいております。

daigaku
図1 大学主催による「災害救援ボランティア養成講座」ご提案

 

今後も大学での災害ボランティア講座は新規開講が予定されており、継続的な実施が10年を超える大学も増えてきました。各大学の教職員の方、学生の方のニーズに合わせて開講することが可能ですので、もし関心のある方はぜひお気軽にご相談ください。

 


 

この記事についてのお問い合わせは こちら からお願いします。

第20回 防災教育に使える教材③ 災害状況を想像する力を身につけよう

第20回 防災教育に使える教材③
災害を想像する力を伸ばすプリント

宮﨑 賢哉(ミヤザキ ケンヤ) — 防災教育コンサルタント/社会福祉士—

災害救援ボランティア推進委員会主任/(社)防災教育普及協会事務局長
第3回国連防災世界会議防災教育日本連絡会 事務局次長

【サマリー】

適切な防災対策や災害対応行動を検討するためには「災害状況」を想定することが不可欠です。本講で紹介する教材は、保育園・保育士に対する防災イマジネーションの形成を目的として、東京大学生産技術研究所の目黒先生による「目黒メソッド(後述)」を分かりやすくアレンジしたものです。

目黒先生・研究室の方には教材の研究・開発過程において、保育園等での実践に関わらせていただき、学校教育への応用についてもご協力いただきました。様々な学校等での授業や事後学習資料として用いた経験から、教材をご紹介させていただきます。

 


プリント1枚で防災教育「災害状況を想像する力を伸ばす」

適切な災害対策・防災活動のためには「災害によってどのようなことが起きるか」を想像する力が大切です。今回は「災害状況を想像する力を伸ばす」ことを目的とした教材をご紹介します。この教材は、東京大学生産技術研究所目黒研究室・東京都の協力により、同研究室が作成した教材「目黒巻」を中学校〜高校における防災学習用にアレンジしたものです。

 

なお、本記事に該当する内容は先生のための教育事典「EDUPEDIA」にも掲載されています。

防災一斉体験学習(目黒巻を用いた事後学習) EDUPEDIAホームページへ

 

目黒巻とは

東京大学の目黒先生が考えた「目黒メソッド」という災害状況想定から対策を考える手法を教材化し、その教材の形が巻物のように見えることから「目黒巻」と呼ばれています。災害後の状況を想像することで、災害前にどんなことが必要かを考えることが目的です。こちらのサイトよりダウンロードできます。

http://risk-mg.iis.u-tokyo.ac.jp/meguromaki/meguromaki.html

 

「災害状況を想像する力を伸ばす」授業で使う教材

指導要領、生徒用説明資料、授業用目黒巻は下記(EDUPEDIA)よりダウンロードできます。

・指導要領(事前に教員・指導員は確認してください) 添付ファイル

・生徒用説明資料(必要に応じて配付してください   添付ファイル

・防災授業「災害状況を想像する力を伸ばす」プリント 添付ファイル

3925

授業用プリント(表面)

 

授業の準備

①座席を班学習の形式になるように配置します。

②プリント(上記)と生徒用説明用紙を配布してください。

 

授業の流れ(学習目標提示と展開)

1.ワークシートについての説明例文

これからプリントを使って「自分が災害(地震や台風など水害でも可)にあった」ことを想像しながら、物語を書いてみます。プリントに「数分後」「数時間後」「数日後」と書かれていますね。その時間、自分がどんなことをしているか、まわりがどんな状況になっているかを書き込んでいきます。災害が起きた後のお話なら、どんな状況を想像してもだいじょうぶです。良いこと、悪いこと、びっくりすること・・・自由に想像して書いてみましょう!

【POINT】あまり難しく考えず、思いついたこと、想像したことを書くよう指導します。正しい状況を想像しようとすると、なかなか書けなくなってしまいます。但し、これまでに様々な防災教育を実践している場合は別です。その場合は学習成果を評価するという視点を持ち、学んだことを書くよう指導します。

 

2.プリントへの記入時間

まず、氏名と設定を記入させます。最初の記入(15〜20分)は個人で行わせ、班の中でお互いに話し合わせないようにします(後ほど話し合いの時間を設けるため)。あまり記入がはかどらない場合は、近くの生徒同士で話し合うことも許可します。

 

★状況設定例★

プリントの左上にある「状況」の設定例です。

震度:  7    ※阪神淡路大震災と同じくらいです

季節:  冬    ※とても寒い日です。

天候:  晴    ※雨の心配はなさそうです。

曜日: 水曜日

時刻: 12:30 ※お昼休みの頃です。

あなた:自分の名前と、家族のなかでの立場(姉・妹・兄・弟など)

家族:いつもの水曜日のお昼、家族がどこで何をしているか書きましょう。

例)父は**で仕事、母は自宅、姉は 大学にいる・・・など

設定は自由に変更することができます。生徒に学ばせたい状況を工夫して設定してください。生徒自身に設定させることも可能です。

【POINT】記入させる上でのフォロー、発問の例

・地震が起こったら、君たちはいつ、どこにいけばいいのだろうか。

・家族とはいつごろ連絡が取れるだろうか。

・電車やバス、電気、ガス、水道などはどうなっているだろうか。

 

3074

(プリントの記入例:小さな子どものいる母親の例、様々な課題が出てきます)

 

3.話し合いの時間

班の中でお互いにプリントを見せ合って、話し合いをします。「書けていない」人を責めたり、明らかにおかしなことを書いている生徒を批判したりしないよう、気をつけてください。もし、問題があったら「どうやったらそれが解決できるのか」という話になるよう、指導していきます。

 

4.まとめの時間(伝えていただきたいこと)

◆ 何か問題が起きたら、どうすれば解決できるか考えることが対策につながるということ。

◆ 設定条件を変えて、繰り返し行うことが災害を想像する力を高めてくれること。

◆ 発災後について考えたら、発災前にできることも併せて考えて、普段の防災に活かしていくこと。

◆ その他、先生方が体験学習等を通じて感じたことなどもお伝えください。

 

なお、記入したプリントは一度回収して、目を通していただくと生徒の災害に対する考え方などを読み取ることができ、とても参考になります。できれば、生徒には返却してあげてください。


最初は「ウチの生徒は防災について勉強もしてないし、こんなに書けるだろうか」と思われる先生が多いのですが、実際に書かせてみると、「思っていたよりもたくさん書いていたので驚いた」というご感想をいただきます。

 

もちろん、個人差がありますので書けない生徒もいますが、重要なことは「想像力をはたらかせてみる」ということにあります。書けない生徒も、話し合いを通じて「こういう考え方をすればいいんだ」と気付くことがあります。できれば、防災教育の導入時に一度実施していただき、防災教育のまとめの時期にもう一度実践していただくと、教育効果を実感できるかもしれません。

 

ぜひ、学校や地域等での防災教育にご活用ください。

 


この記事についてのお問い合わせは こちら からお願いします。

第19回 第3回国連防災世界会議と防災教育の普及

第19回 第3回国連防災世界会議と防災教育の普及

宮﨑 賢哉(ミヤザキ ケンヤ) — 防災教育コンサルタント/社会福祉士–

災害救援ボランティア推進委員会主任/(社)防災教育普及協会事務局長 兼務

【サマリー】

いよいよ開会まで一ヶ月を切った『第3回国連防災世界会議』ですがそもそも「国連防災世界会議ってなに?」という方も少なくないかと思います。本稿では、国連防災会議についての簡単な解説と、弊会(防災教育普及協会等)が関わる防災教育の普及について、ご紹介します。

 


国連防災世界会議とは・・・

第3回国連防災世界会議仙台開催実行委員会ホームページでは、次のように紹介されています。

 

国連防災世界会議は、国際的な防災戦略について議論する国連主催※の会議であり、第1回(1994年、於:横浜)、第2回(2005年、於:神戸) の会議とも、日本で開催されています。第2回会議では、2005年から2015年までの国際的な防災の取組指針である「兵庫行動枠組」が策定されるなど、 大きな成果をあげています。

第3回国連防災世界会議では、兵庫行動枠組の後継枠組の策定が行われる予 定です。東日本大震災の被災地である仙台市で本件会議を開催することは、被災地の復興を世界に発信するとともに、防災に関する我が国の経験と知見を国際社 会と共有し、国際貢献を行う重要な機会となります。

(出典:外務省ホームページ)

※国連防災世界会議の開催事務局は、国連総会の決定により、国連組織である国連国際防災戦略事務局(UNISDR)が務めています。

 

ざっくりとまとめるなら「世界各地で防災に携わる人たちが集まって、世界的な防災対策について議論して、こんなことをしようね!という行動を決めたりする会議」とでも言いましょうか。ざっくりしすぎな気もしますが。

 

どんなことをやるの?

大きく分けて「本体会議」と「パブリックフォーラム」に分けられます。本体会議は国連が主催となって、各国代表者が世界的な防災対策について議論する場で、関係者のみが参加するものです。パブリックフォーラムは、様々な団体が主催となって、期間中に各地で行うイベントです。こちらは一般参加が可能です。

一般の方は「パブリックフォーラム」から、関心のあるイベントに参加すると考えていただければよいでしょう。

パブリックフォーラム概要(公式サイトへ)

パブリックフォーラムそのものは、期間中ものすごい数のイベントが行われていますので、調べるのも一苦労です。上記リンク先から、パブリックフォーラムを検索することができます。テーマ、日程、形式、会場などで検索できますので、関心のあるテーマやスケジュールに併せてご参加いただければと思います。

 

なお、弊会(防災教育普及協会)が関わるパブリックフォーラムは以下のものです。

【3/14(土)9:30-16:50,東北大学『レジリエントな社会構築と防災教育・地域防災力の向上を目指して』


Development of a Resilient Community and Improving Disaster Education and Regional Disaster Preparedness

お申し込みは こちら(国連防災世界会議防災教育日本連絡会) から受け付けています。同時通訳用のレシーバーは数に限りありますので、お早めに。

 

防災教育の普及に向けて

上記の「レジリエントな~」はイベント名称としては『防災教育国際交流フォーラム』と呼んでいます。詳しくは 防災教育交流国際フォーラムチラシ をクリックしてPDFファイルをダウンロードしてご確認ください。

150314PFomote 150314PFura

 

こちらのフォーラムには、国内外の防災教育・安全教育の中心的な役割を果たされている先生方や団体などが集まり、実践事例などを中心とした報告をもとに「(防災教育)仙台宣言」をとりまとめることになっています。

 

防災教育の普及・啓発は東日本大震災前からも課題となっていました。こちらの記事でも少し触れましたが、時間数の確保、防災教育に関するノウハウの不足(特に教育現場に浸透しきれていないこと)などがあり、優れた実践事例はいくつも見られるようになってきたものの、裾野が広がらないという現状がありました。

 

防災教育交流国際フォーラムの開催、そして「(防災教育)仙台宣言」の採択と発表は、こうした課題に対して、関係省庁や大学、団体、個人の枠を超えて防災教育の普及啓発と推進に取り組むことを明確に打ち出す機会となります。すぐに解決される課題ではありませんが、学習指導要領の改訂などもあって、少しずつ解決への道を歩んでいくことは間違いありません。

 

文字通り宣言は国内外の防災教育に関わる団体が集結するオールジャパンの宣言になります。今を生きる、そしてこれからの社会を生きる全ての人たちに必要な「防災教育」のために力を合わせていこう、という強いメッセージが込められた内容になることでしょう。

どのような内容になるかは、ぜひ会場にきてご確認いただきたいと思います。

 

防災教育を「自分のこと」として考えてほしい

防災教育は、学校の中だけの話ではありません。災害は子どもたちが学校にいないときにも起こります(児童生徒の在学時間をベースに考えると、学校外で被災する可能性のほうが高くなります)。自宅にいれば家族で考えなければならない問題ですし、お店や公共交通機関にとっても子どもたちをどう守るかというのは大きな課題となってきます。

 

この機会にぜひ防災教育を「自分(たち)のこと」として考えてほしい、と願っています。すぐに防災を誰かに教えろというわけではありません。ただ、自然災害の多い日本という国に生きる一人の人間として、災害の教訓を学ぶこと、伝えることの大切さを、考えていただきたいということです。

 

3月の国連防災世界会議、そして様々な団体による防災・減災、防災教育の取り組みはこれからの日本の防災に大きな影響を与えることになります。防災に関係のある方はもちろんですが、あまり関係のない方も、この機会に観光も兼ねてご来場いただければ幸いです。

・・・ただ、今からだと東北圏以外の方は宿や交通機関が厳しいかもしれませんが(苦笑)

 


この記事についてのお問い合わせは こちら からお願いします。

第18回 地域防災力UPシリーズ② ぼうさい探検隊でマップづくり

第18回 地域防災力UPシリーズ② ぼうさい探検隊でマップづくり

宮﨑 賢哉(ミヤザキ ケンヤ) — 防災教育コンサルタント/社会福祉士–

災害救援ボランティア推進委員会主任/(社)防災教育普及協会事務局長 兼務

 

【サマリー】
 地域防災力UPシリーズ①では、災害図上訓練-DIG-で地域の災害危険箇所や防災資源を確認しました。次はもう一歩踏み込んで実際の防災行動につなげていく必要があります。そこで、各地域で行われている「防災マップづくり」をご紹介します。防災マップづくりのノウハウは様々ですが、本講では代表的な事例として『ぼうさい探検隊』についてご紹介します。

 


 

ぼうさい探検隊とは・・・

「ぼうさい探検隊」とは、子どもたちが楽しみながらまちにある防災・防犯・交通安全に関する施設や設備などを見て回り、身の回りの安全・安心を考えながらマップにまとめ発表する、実践的な安全教育プログラムです(日本損害保険協会ホームページより)

子どもたちと楽しみながら取り組むことが重要なポイントです。大人ではあまり意識しない「ここはこうなったら危ないかな」「ここは暗くなったら怖いな」といった点をどんどんチェックしてくれます。また、どうしても高齢化してしまいがちな防災活動に、ぼうさい探検隊を通じて児童生徒や保護者が参加することで、より幅広い視点で地域防災を考えることができます。

ぼうさい探検隊を実施してつくる「ぼうさいマップ」を集めたコンクールなども開催されており、2000枚以上のマップが集まる、日本で最も普及している防災教育プログラムのひとつです。

 

スクリーンショット 2014-12-15 06.08.46(防災マップのイメージ、ぼうさい探検隊実施マニュアルより)

 

ぼうさい探検隊のプログラム

ぼうさい探検隊のプログラムは大きく分けて3つの段階に分かれています。

(1)まちなか探検をする

子どもたちの視点でまちを探検して、防災・防犯・交通安全に関する様々な施設や設備を発見します。事前に消防署や防災課、自治会や防災会などと調整し、チェックポイントを設けることもあります。

(2)マップをつくる

街区地図などを用いて発見したこと、気づいたことを模造紙に記入、整理していきます。書き方は子どもたちの自由な発想に任せていきます。どうしてもうまくいかないときは、保護者やボランティアなどがサポートします。

(3)発表する

マップができあがったら、自分たちで発見したことや気づいた点などについて発表します。チーム名を決めたり、参加者の名前を書いたりすることで「自分たちのマップ」という意識を持たせます。

 

ぼうさい探検隊の実施スケジュール例(4時間・半日程度)

00:00~00:20【20分】 チーム分けや作戦会議、テーマやルートの確認をします。

00:20~01:10【50分】 まちなか探検、子どものペースに併せてまち歩きをします。

01:10~01:20【10分】 休憩、デジカメで撮影した写真を印刷しておきます。

01:20~03:30【130分】マップ作成、縦横を決め、役割分担をしながら作業します。

03:30~03:55【25分】 チーム毎にマップを発表

03:55~04:00【05分】 指導者からまとめ

 

ぼうさい探検隊のリーダー養成

ぼうさい探検隊を実施する児童生徒や教職員、保護者と共に、より安心して子どもたちがマップづくりに専念できるよう、サポートしていくのが「ぼうさい探検隊リーダー」です。弊会では、災害救援ボランティア講座の開講に併せて日本損害保険協会より講師を派遣していただき、ぼうさい探検隊リーダー養成講習も兼ねたプレゼンテーションを行っていただいています。

 

また、ぼうさい探検隊を実施したい地域や学校、公民館などのご担当者や参加者(特に教職員や保護者、ボランティア等)を対象とした講習についても、日本損害保険協会と連携して実施していますので、お気軽にご相談ください。

 


 

この記事についてのお問い合わせは こちら からお願いします。

第17回 地域防災力UPシリーズ① 災害図上訓練-DIG-で地域を知ろう

第17回 地域防災力UPシリーズ① 災害図上訓練-DIG-で地域を知ろう

宮﨑 賢哉(ミヤザキ ケンヤ) — 防災教育コンサルタント/社会福祉士–

災害救援ボランティア推進委員会主任/(社)防災教育普及協会事務局長 兼務

 

【サマリー】
 私たちがくらしている
「地域」や「まち」には、見落としてしまいがちな防災・防犯上の危険がかくれています。土砂災害や風水害などでは、そうした見落としがちなポイントや、「ここで何かあったらこわいな・・・」と思いながらも、具体的な対策がとれずにいたところで、大きな被害が発生してしまう可能性があります。そこで、本講では『地域防災力UPシリーズ』として全3回でご紹介します。

 


 

災害図上訓練-DIG(Disaster Imagination Game)-は、大きめの地図にビニールシートなどをかけて、マーカーで色塗りをしながら防災資源の洗い出し、災害危険箇所の発見、地域防災活動のあり方などを考える、訓練様式のひとつです。

 

厳密には様々な手法やアプローチがあり、細かな分類の考えられるプログラムですが、まずはそのようにご理解いただくのが分かりやすいです。そして、広島や京都、兵庫などで発生したの水害や土砂災害から命を守るためには、とても大切な訓練です。水害や土砂災害のように地域性の高い(地域の状況に大きく左右される)災害から命を守るポイントはふたつあります。

 

ひとつ『自分が住む地域・地理のことにどれだけ関心を持ち、知っているかどうか』

ふたつ『水害・土砂災害等も含め、気象災害の基礎知識を持っているかどうか』

 

地域の防災資源や、災害危険箇所、避難ルートなどをシールやマーカーで書き出していくDIGは、ひとつめの地域や地理のことについて関心を持ち、知るための手段として役立ちます。灯台下暗しと言いますが、地域のことを知っているようで知らないことはよくあります。水害や土砂災害は地域の歴史なども関わりますので、いろいろな方の話を聞いてみたら「そんなこともあったのか」と気付くことが多いのもDIGの特徴です。

 

14894634257_d7be99db84_z(写真:まずはみんなで地図を囲んでいろいろ考えてみることから)

 

訓練としての効果は高いDIGですが、その反面きちんとやろうとすると主催者、参加者、指導者それぞれに負担も多く準備が必要です。テーマ設定、地域選び、大きな地図、ビニールシート、マーカー、ふせん…主催者側が準備するものがたくさんあります。

 

14894488209_09ea8fd22b_z(写真:ビニールシート、マーカー、シールなどを用意します)

 

地域のことに詳しい人ばかりではないので、何も分からないと書き込みペースが遅くなることもあります。また、参加者が想定災害について何も分からない状態だと、災害危険箇所の想定ができなかったり、誤った想定になったりします。作業に慣れていない参加者の方々がいれば、一度にたくさん書き込むような指示を出すと「そんなに出来ないよ!」とか「何をどう書いたか分からなくなった」なんてことにもなりかねないので、指導側の力量も大きく影響します。このようにハードルは高いけれど、その分、正しく行えば(特に水害や土砂災害対策に)効果を発揮できる訓練と言えます。

 

大雨警報や土砂災害警報の発報基準、避難勧告や避難指示、がけ崩れや土石流、地すべりの違いなど、水害や土砂災害から身を守るために知るべきことはたくさんあります。DIGはそうした基礎知識の学習と並行して行うことで、より高い効果が期待されます。

 

地域で水害・土砂災害が想定される方は、役所や学校、社会福祉協議会、ボランティア団体などと連携して、積極的にチャレンジされることをオススメします。

 

★★ ご希望の方には地域で実施した際の資料・スライド等をご提供します ★★

こちら からお問い合わせください。

 

写真協力:C大学ボランティアセンター、H市社会福祉協議会、大学生・H地区の皆様

第16回 「防災教育実践50選」をもっと活用する4つのポイント

※この記事は「EDUPEDIA」投稿記事の転載です。表示内容についてはEDUPEDIA記事に準じますが、本講掲載にあたり一部を編集しています。オリジナルはこちらの記事をご覧ください。


 

※この記事は宮﨑賢哉様(防災教育コンサルタント)とEDUPEDIA編集部の協力により作成しました。防災教育50選については こちら(http://goo.gl/aXvvmI)からご覧ください。

執筆:宮﨑賢哉 防災教育コンサルタント/社会福祉士

 

1 はじめに

2015年3月14日から18日にかけて、仙台市で「第3回国連世界防災会議」(http://www.bosai-sendai.jp/)が開催されます。特に「防災教育」は、日本が世界に誇るコンテンツとして注目を集めています。これまでに防災教育チャレンジプラン(http://www.bosai-study.net/top.html)やぼうさい探検隊(http://www.sonpo.or.jp/protection/bousai/index.html)、ぼうさい甲子園(http://npo-sakura.net/bousai-koushien/)といった官民が展開する防災教育支援事業により、優れた防災教育実践事例が生み出されてきました。

 

しかしその一方で「防災教育が必要なことは分かるのだけど、なかなか実践する時間がない」、「実践しているが、それが本当に正しいのか分からない」といった意見も少なくありません。本記事をご覧になっている方の中にも、防災教育について課題をお持ちの方も多いことと思います。

 

これらの課題を生み出している最大の要因が「標準化」です。

 

例えば自動車を運転するとき、誰もが同じ交通ルールに則って運転することで、事故が起きにくくなっています。特定の誰かが「すごい運転テクニック」を持っていたとして、そのテクニックを使えば早く、安全に目的地に到着できるようになるとしましょう。そして、そのテクニックが様々なところで表彰・評価されたとします。では、誰もがそのテクニックを身に付けることができるでしょうか。無理ではないかもしれませんが、時間も労力もかかり「自分には無理だ」と、多くの人が身に付けることを諦めてしまうことでしょう(正確には多くの人が諦めてしまうほどのテクニックだからこそ「すごい」と思われるのですが)。

 

「すごいことは分かるけど、あの人だからできることなんだよね」という気持ちになります。

これは「すごい運転テクニック」が「すごい」ことに間違いはないけれど「標準化」されていないということの例です。

赤信号で止まる、一時停止する、曲がるときはウィンカーを出す。これらは「すごくはない=当たり前」のことですが、ほぼ完璧に「標準化」されているため、いつ、どこで、誰が車に乗ってもできることです。

 

つまり、防災教育も「優れた教材」「優れたプログラム」を集めれば「優れた実践」が生まれるというものではない、ということです。

多くの教材やプログラムが属人化している現状があるため「あの人(あの学校)にはできるけど、私には無理」というイメージが拭いきれない内容も多いのです。結果として、防災教育の普及は出来るところはどんどん出来るけれど、なかなか進まないところはいつまでも進まず、差が大きく開いていくことになります。

質の高い防災教育を充分に受けられる児童生徒と、受けられない児童生徒が生まれる。

 

それはつまり災害時における「命のリスク」に差が生まれるということです。その差を埋めるのが「標準化」であり、EDUPEDIAがまとめた「防災教育実践50選」は防災教育の標準化につながる可能性を秘めたコンテンツとなっています。

本記事ではその「防災教育実践50選」を標準化の視点から4つのポイントで整理しました。防災教育実践に関心のある皆様のご参考となれば幸いです。

 

ポイント1 EDUPEDIA「防災教育実践50選」の構成をチェック
ポイント2 児童生徒の発達段階をイメージ
ポイント3 学習テーマを具体的に設定
ポイント4 フィードバックを行う

 

2 ポイント1 EDUPEDIA「防災教育50選」の構成をチェック

防災教育50選は大きく分けて次の方々の協力で構成されています。構成バランス(教材等の提供数)と作成者の特徴、教材やプログラムの内容を確認します。

釜石市教育委員会 ×27

「釜石市津波防災教育」は小学校・中学校段階での具体的な学習指導案と教材が掲載されています。
津波危険地域の学校では、その地域の教育委員会等が提供する副教材等と比較しながら、参考にすることができます。
ただし、あくまで「釜石市」の教材であるため、汎用性に欠けてしまうのが課題です。
実際の授業場面で利用するためには、映像や各種資料、歴史その他、地域の実情に応じた授業準備が必要です。

 

●一覧

【釜石市津波防災教育】指導の手引きまとめページ
http://goo.gl/YVTGk3

【釜石市津波防災教育】(1・2年生)I-B(1) 地震・津波を知る-津波の特徴を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/447
【釜石市津波防災教育】(1・2年生)I-B(2) 地震・津波を知る-津波の特徴を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/448
【釜石市津波防災教育】(1・2年生)Ⅰ‐C地震・津波を知る‐避難の必要性を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/449
【釜石市津波防災教育】(1・2年生) Ⅱ-C(1) 対処行動を知る-学校や自宅周辺の避難場所を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/421
【釜石市津波防災教育】(1・2年生) Ⅱ-C(2) 対処行動を知る-学校や自宅周辺の避難場所を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/450

【釜石市津波防災教育】(3・4年生) I -A 地震・津波を知る-地震・津波のおき方を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/451
【釜石市津波防災教育】(3・4年生)Ⅰ‐B 地震・津波を知る津波の特徴を知る
http://edupedia.jp/entries/show/452
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-A 対処行動を知る-地震から身を守る方法を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/437
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-B 対処行動を知る-津波からの避難方法を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/461
【釜石市津波防災教育】(3・4年生)Ⅱ‐C 対処行動を知る-学校や自宅周辺の避難場所を知る
http://edupedia.jp/entries/show/453
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-D(1) 対処行動を知る-様々な避難方法を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/435
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-D(2) 対処行動を知る-様々な避難方法を考える(防災マップ作り)-
http://edupedia.jp/entries/show/436
【釜石市津波防災教育】(3・4年生)Ⅲ‐A地域の津波被害を考える−過去の津波被害を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/434
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅲ-B 地域の津波被害を考える-津波から地域を守る対策を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/428
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅳ-A 先人の経験に学ぶ-体験者から話を聞く-
http://edupedia.jp/entries/show/420

【釜石市津波防災教育】(5・6年生) Ⅰ-A 地震・津波を知る-地震・津波のおき方を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/429
【釜石市津波防災教育】(5・6年生) I-D(1) 地震・津波を知る-津波の様々な特徴を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/430
【釜石市津波防災教育】(5・6年生) I-D(2) 地震・津波を知る-津波の様々な特徴を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/431

【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅰ-A 地域の津波被害を考える-過去の津波被害を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/454
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅰ-E 地震・津波を知る-地震の揺れの特徴を理解する-
http://edupedia.jp/entries/show/455
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅱ-E(1) 対処行動を知る-避難後の行動を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/456
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅱ-E(2) 対処行動を知る-避難後の行動を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/458
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅱ-F 対処行動を知る-避難できない人間の心理を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/457
【釜石市津波防災教育】(中学生)Ⅲ-B 地域の津波被害を考える−津波から地域を守る対策を知る
http://edupedia.jp/entries/show/462
【釜石市津波防災教育】(中学生)Ⅳ-C 先人の経験に学ぶ−語り継ぐ責任
http://edupedia.jp/entries/show/463

 

石川孝茂先生(日本女子大学) ×15

「地しん防災ブック」を使った16時間構成の学習指導案です。
まとめ手引きがあり、ワークシートその他もホームページからダウンロードすることができます。
小学校高学年を対象としていますが、内容が網羅されているため中学校や内容を工夫すれば高校でも利用できそうです。
内容が盛りだくさんであるため、16時間全てを使った授業実践は難しいかもしれません。
資料編でテーマ別に整理していますので、児童生徒に学ばせたい内容に応じて、ピックアップした授業準備が必要です。

 

●一覧

<地しん防災ブックによる16時間の連続した学習教材>

【地しん防災ブック】指導の手引きまとめページ(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://goo.gl/zVRvhg
防災教育への動機付け 1-2/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/954
学校での避難行動 3/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/955
自宅での避難行動 4/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/956
避難行動の順序 5/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/967
避難場所・避難経路を考える 6/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/970
緊急地震速報についての学習 7/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/969
家族会議と災害伝言ダイヤル「171」についての学習 8/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/961
自宅危険度チェック 9/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/952
防災袋についての学習 10/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/950
応急手当・消火器についての学習 11-13/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/955
家族を守る防災新聞 14-16/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/959

 

<単独での学習教材>
防災袋を作ってみよう(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/958
伝言ゲームとバケツリレー(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/957
防災マップの作成(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/951

 

佐藤謙二先生(東日本大震災発生時、中学校教諭)×9

実際に被災された経験からの資料です。
こちらは防災教育50選に含まれていますが「防災管理」に近い内容です。教職員が事前にどのような備え、心構えをしておくべきか、災害時におきる課題にどのように対応していくのかを学ぶ教材として参考になります。教員研修や、学校防災マニュアル・避難所運営マニュアル等の検討の際に有効な教材と言えるでしょう。
中学生、高校生以上であれば、資料を印刷して体験談や気づきそのものを学習教材として扱い、自分なりの考えや意見をまとめさせるといった使い方も想定されます。
いずれにしても「教員自身が活用するための素材」という特徴があります。

 

●一覧

[震災後の学校対応の状況]

岩手県中学校の地震発生時の状況と対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/lUs9Qp

 

[学校防災マニュアル等の参考に]
東日本大震災経験者の作った防災チェックリスト(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/AltgVB
東日本大震災の時、避難所にあればよかった20の物品(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/Fy3Twu
避難所運営への対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/BrHVry
ルールへの対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/QOKZju

 

[児童生徒の心のケア]
被災した生徒のメンタル面・滅失品への対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/0eXdSU
被災した生徒のストレスへの対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/gU6Zvq
被災した生徒と被災しない生徒の温度差への対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/WD7cJ5

 

[復興に向けて]
震災を通した生徒の成長(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/0SA9yh

震災・学校支援チームEARTH ×3 

阪神・淡路大震災の教訓をもとにしたハンドブックの紹介です。
こちらも佐藤先生と同様に「防災管理」に近い印象を受けます。教員研修等の参考資料として扱うのが良いでしょう。もし、防災教育に応用するのであれば、防災グッズに関する学習のときなどの事前・事後資料として扱うなどが考えられます。中学生以上、ある程度の時間をかけることができるのであれば、ハンドブックをベースに「学校(クラス)オリジナルのハンドブックを作ってみよう!」なども学習効果が高いでしょう。

 

●一覧

マイイエローページ(震災・学校支援チームEARTHハンドブック)
http://goo.gl/Zk88No
平時の活動(震災・学校支援チームEARTHハンドブック)
http://goo.gl/I5JdnS
災害派遣時の活動(震災・学校支援チームEARTHハンドブック)
http://goo.gl/Nyyv8t

 

八巻寛治先生(小学校教諭ほか)×1

心のケアに関する内容です。こちらは防災教育・防災管理いずれにも関係しますが、比較的防災管理に近いと言えます。
セルフケアについては児童生徒にできる部分と、教職員が配慮しなければいけない部分があります。
教員研修等でしっかりと学んだうえで、生徒に対し授業実践を行うことが必要になります。

●一覧

「震災後の心を支えるエクササイズ」八巻寛治先生
http://goo.gl/P7qAtL

濱口圭子先生(東久留米市立第二小学校)×1

社会科の学習の一環として防災教育を取り上げられています。
科目に応じた防災教育・安全教育は注目されているところです。具体的な指導案や参考URL等も掲載されています。

●一覧

自然災害の防止
http://goo.gl/HB7k5Q

 

それぞれの科目に応じた防災教育プログラムは神戸学院大学等でも公開されていますので、こちらもぜひご覧ください。

神戸学院大学防災・社会貢献ユニット「防災教育キット」
http://goo.gl/1Rzi7T

 

防災教育50選の構成を確認できましたか。
防災教育(授業での使用)については釜石市教育委員会、石川先生から。
教員研修や学校防災マニュアル等の検討、教材作成の参考資料に佐藤先生、八巻先生、濱口先生、EARTHの資料を使う。
そう整理していただくと良いでしょう。

 

3 ポイント2 児童生徒の発達段階をイメージしよう

防災教育50選を活用する次のステップは「児童生徒の発達段階をイメージしよう」です。
教職員の方であれば「そんなことは当たり前だ」と思われるかもしれませんが、ここでお伝えしたいのは「小学生は何を学ぶ必要があるか」という、限定された期間を示した発達段階ではなく、その子どもが小学校を卒業し、中学生になり、高校生になり、大学生・社会人となっていく「成長過程において、小学校のうちに何を学ぶ必要があるか」ということです。

 

▼防災リテラシーを高める4つの分野

京都大学防災研究所の林春男先生による整理では、防災リテラシー(防災に関する基礎的な理解力、能力のこと)を高めるためには大きく4つの分野からのアプローチが考えられます。

 

自分たちがいま直面しなければならない敵の姿をはっきりさせること【自然科学】
被害を予防すべきものを選ぶこと、それを確実に実現する技術、資金、時間【工学】
被災を乗り越え被害から回復できる強さ、そのための教え、ノウハウ、助け合い【社会科学】
これら3つの力を使って問題を解決する力【生きる力】

 

つまり「本当に防災について身に付けるためには、勉強しなければならないことがたくさんある!」ということです。
小学生が小学生のときに防災教育を受ければ身に付く、というものではありません。体系的で継続的な教育訓練、具体的には義務教育における基礎(必修)教育、高等教育における発展(単位化)などが求められます。

 

▼文科省による防災教育学習目標

では、文部科学省はどのような学習目標を出しているのでしょうか。

◆ 発達段階に応じた防災教育(到達目標)

ア 自然災害等の現状、原因及び減災等について理解を深め、現在及び将来に直面する災害に対して、的確な思考・判断に基づく適切な意志決定や行動ができる。
イ 自身、台風の発生等に伴う危険を理解・予測し、自らの安全を確保するための行動ができるようにするとともに、日常的な備えができる。
ウ 自他の生命を尊重し、安全で安心な社会づくりの重要性を認識して、学校、家庭及び地域社会の安全活動に進んで参加・協力し、貢献できる。

 

●高校段階

安全で安心な社会づくりへの参画を意識し、地域の防災活動や災害時の支援活動において、適切な役割を自ら判断し、行動できる生徒

●中学校段階
日常の備えや的確な判断のもと主体的に行動するとともに、地域の防災活動や災害時の助け合いの大切さを理解し、すすんで活動できる生徒

●小学校段階
日常生活の様々な場面で発生する災害の危険を理解し、安全な行動ができるようにするとともに、他の人々の安全にも気配りできる児童

●幼稚園段階
安全に生活し、緊急時に教職員や保護者の指示に従い、落ち着いてすばやく行動できる幼児

 

理想的な目標としては理解できますが「どうしたらそのような児童生徒であることを評価できるのか」と考えるとなかなか難しい目標です。

 

▼学習成果と目標行動に応じた教材・プログラムの選択

文科省による防災教育学習目標をベースに、実際の教育現場でも扱えるよう教員も含めた3つの段階と7つの具体的な目標行動にまとめ、それぞれに対応する教材・プログラムを整理しました。

 

教職員・管理職段階(学校安全、防災管理を重点に置く)
①災害時における学校の役割を理解し、児童生徒の命を守るための対策・対応ができる教員(管理職)

中学校・高校段階(主体的行動、地域連携に重点を置く)
②災害への備えについて正しく説明できる生徒
③主体的に、的確な安全確保行動がとれる生徒
④学校・家庭・地域の防災活動で、自分に何ができるかを理解し行動できる生徒

小学校低学年~高学年段階(継続・反復による基礎知識、行動の習得に重点を置く)
⑤日常の場面の災害の危険を正しく説明できる児童
⑥指示に従い、的確な安全確保行動がとれる生徒
⑦災害時の他者の心情や状況を理解し、配慮ができる児童

 

★教職員・管理職 段階

①災害時における学校の役割を理解し、児童生徒の命を守るための対策がとれる教員(管理職)
【地しん防災ブック】指導の手引きまとめページ(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://goo.gl/zVRvhg
【釜石市津波防災教育】指導の手引きまとめページ
http://goo.gl/YVTGk3
岩手県中学校の地震発生時の状況と対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/lUs9Qp
東日本大震災経験者の作った防災チェックリスト(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/AltgVB
東日本大震災の時、避難所にあればよかった20の物品(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/Fy3Twu
避難所運営への対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/BrHVry
ルールへの対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/QOKZju
被災した生徒のメンタル面・滅失品への対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/0eXdSU
被災した生徒のストレスへの対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/gU6Zvq
被災した生徒と被災しない生徒の温度差への対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/WD7cJ5
震災を通した生徒の成長(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/0SA9yh
マイイエローページ(震災・学校支援チームEARTHハンドブック)
http://goo.gl/Zk88No
平時の活動(震災・学校支援チームEARTHハンドブック)
http://goo.gl/I5JdnS
災害派遣時の活動(震災・学校支援チームEARTHハンドブック)
http://goo.gl/Nyyv8t
「震災後の心を支えるエクササイズ」八巻寛治先生
http://goo.gl/P7qAtL

★中学校・高校 段階

②災害への日常的な備えを正しく説明できる生徒
【釜石市津波防災教育】(3・4年生)Ⅲ‐A地域の津波被害を考える−過去の津波被害を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/434
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅲ-B 地域の津波被害を考える-津波から地域を守る対策を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/428
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅰ-A 地域の津波被害を考える-過去の津波被害を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/454
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅰ-E 地震・津波を知る-地震の揺れの特徴を理解する-
http://edupedia.jp/entries/show/455
自宅危険度チェック 9/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/952

 

③主体的に的確な安全確保行動がとれる生徒
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-A 対処行動を知る-地震から身を守る方法を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/437
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-B 対処行動を知る-津波からの避難方法を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/461
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅱ-E(1) 対処行動を知る-避難後の行動を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/456
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅱ-E(2) 対処行動を知る-避難後の行動を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/458
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅱ-F 対処行動を知る-避難できない人間の心理を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/457
応急手当・消火器についての学習 11-13/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/955
伝言ゲームとバケツリレー(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/957

 

④学校・家庭・地域の防災活動で、自分に何ができるかを理解し行動できる生徒
【釜石市津波防災教育】(3・4年生)Ⅱ‐C 対処行動を知る-学校や自宅周辺の避難場所を知る
http://edupedia.jp/entries/show/453
学校での避難行動 3/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/955
自宅での避難行動 4/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/956
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-D(1) 対処行動を知る-様々な避難方法を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/435
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-D(2) 対処行動を知る-様々な避難方法を考える(防災マップ作り)-
http://edupedia.jp/entries/show/436
避難行動の順序 5/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/967
避難場所・避難経路を考える 6/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/970
防災マップの作成(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/951
【釜石市津波防災教育】(3・4年生)Ⅲ‐A地域の津波被害を考える−過去の津波被害を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/434
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅲ-B 地域の津波被害を考える-津波から地域を守る対策を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/428
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅳ-A 先人の経験に学ぶ-体験者から話を聞く-
http://edupedia.jp/entries/show/420

★小学校低学年~高学年 段階

⑤日常の場面の災害の危険を正しく説明できる児童
自然災害の防止
http://goo.gl/HB7k5Q
防災教育への動機付け 1-2/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/954
【釜石市津波防災教育】(1・2年生)I-B(1) 地震・津波を知る-津波の特徴を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/447
【釜石市津波防災教育】(1・2年生)I-B(2) 地震・津波を知る-津波の特徴を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/448
【釜石市津波防災教育】(1・2年生)Ⅰ‐C地震・津波を知る‐避難の必要性を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/449
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) I -A 地震・津波を知る-地震・津波のおき方を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/451
【釜石市津波防災教育】(3・4年生)Ⅰ‐B 地震・津波を知る津波の特徴を知る
http://edupedia.jp/entries/show/452
【釜石市津波防災教育】(5・6年生) Ⅰ-A 地震・津波を知る-地震・津波のおき方を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/429
【釜石市津波防災教育】(5・6年生) I-D(1) 地震・津波を知る-津波の様々な特徴を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/430
【釜石市津波防災教育】(5・6年生) I-D(2) 地震・津波を知る-津波の様々な特徴を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/431

 

⑥指示に従い安全確保行動がとれる児童

【釜石市津波防災教育】(1・2年生) Ⅱ-C(1) 対処行動を知る-学校や自宅周辺の避難場所を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/421
【釜石市津波防災教育】(1・2年生) Ⅱ-C(2) 対処行動を知る-学校や自宅周辺の避難場所を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/450
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-A 対処行動を知る-地震から身を守る方法を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/437
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-B 対処行動を知る-津波からの避難方法を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/461
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-D(1) 対処行動を知る-様々な避難方法を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/435
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-D(2) 対処行動を知る-様々な避難方法を考える(防災マップ作り)-
http://edupedia.jp/entries/show/436
緊急地震速報についての学習 7/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/969

 

⑦災害時の他者の心情や状況を理解し、配慮ができる児童
家族会議と災害伝言ダイヤル「171」についての学習 8/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/961
防災袋についての学習 10/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/950
防災袋を作ってみよう(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/958
家族を守る防災新聞 14-16/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/959
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅳ-A 先人の経験に学ぶ-体験者から話を聞く-
http://edupedia.jp/entries/show/420
「震災後の心を支えるエクササイズ」八巻寛治先生
http://goo.gl/P7qAtL

 

小学生までは「きちんと指示を聞いて安全な行動ができる」ことを第一に。
中学生以上は(小学生までの知識・行動を前提として)「指示がなくても行動できるようになる」ことを第一に。

災害から「命を守る」という知識(知恵)や技術を身に付け、行動できるようになるというのは、簡単なことではありません。
だからこそ、児童生徒の発達段階を意識した継続的な防災教育が求められます。

焦っていろいろやろうとするよりも、まずはそれぞれの先生方が主に担当する発達段階で必要となる知識・技術の習得を中心に検討していただくことが重要です。

 

4 ポイント3 学習テーマを具体的に設定

 

さて、ポイント2では児童生徒の発達段階に焦点をあてましたが、それだけでは足りません。
「誰に」教えるか、ということを整理したら「何を」教えるかを考える必要があります。

防災教育なんだから防災を教えればいいのだろう、と思われるかもしれませんが、一言で「防災」といっても内容も指導方法も様々です。
ポイント2では発達段階で整理しましたが、今度は防災教育実践50選のコンテンツを学習テーマで整理してみましょう。

 

★家庭や地域の防災の基礎について学ばせたい

[教材選択のポイント]
家庭・地域での防災については、自宅、学校、地域の防災について目を向けさせる教材が有効です。
前提条件として、地震災害そのものに対する一定の理解が必要ですので、石川先生による動機付けや家庭での防災に関する教材、釜石市津波防災教育の1・2年生向けの教材を中心に指導されることをおすすめします。

 

防災教育への動機付け 1-2/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/954
自宅危険度チェック 9/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/952
家族を守る防災新聞 14-16/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/959
防災マップの作成(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/951
【釜石市津波防災教育】(1・2年生)I-B(1) 地震・津波を知る-津波の特徴を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/447
【釜石市津波防災教育】(1・2年生)I-B(2) 地震・津波を知る-津波の特徴を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/448
【釜石市津波防災教育】(1・2年生)Ⅰ‐C地震・津波を知る‐避難の必要性を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/449
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) I -A 地震・津波を知る-地震・津波のおき方を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/451
【釜石市津波防災教育】(3・4年生)Ⅰ‐B 地震・津波を知る津波の特徴を知る
http://edupedia.jp/entries/show/452
【釜石市津波防災教育】(3・4年生)Ⅲ‐A地域の津波被害を考える−過去の津波被害を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/434
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅲ-B 地域の津波被害を考える-津波から地域を守る対策を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/428
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅳ-A 先人の経験に学ぶ-体験者から話を聞く-
http://edupedia.jp/entries/show/420

★地震・津波から身を守れるようになってほしい

[教材選択のポイント]
地震発生直後(津波の場合は津波がくるまでの数分~数十分間)の行動を具体的にイメージさせることが重要です。
緊急地震速報や避難行動、避難場所について正しく理解させていく指導がポイントです。

 

学校での避難行動 3/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/955
自宅での避難行動 4/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/956
避難行動の順序 5/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/967
避難場所・避難経路を考える 6/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/970
緊急地震速報についての学習 7/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/969
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-A 対処行動を知る-地震から身を守る方法を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/437
【釜石市津波防災教育】(3・4年生) Ⅱ-B 対処行動を知る-津波からの避難方法を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/461
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅱ-E(1) 対処行動を知る-避難後の行動を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/456
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅱ-E(2) 対処行動を知る-避難後の行動を考える-
http://edupedia.jp/entries/show/458
【釜石市津波防災教育】(中学生) Ⅱ-F 対処行動を知る-避難できない人間の心理を知る-
http://edupedia.jp/entries/show/457

★被災後を生き抜く力を身につけてほしい

[教材選択のポイント]
安全を確保したのちの避難生活や長期的な復旧・復興の様子をイメージさせる教材が必要です。
佐藤先生の資料は、事前に教員がチェックをして必要な部分を学習教材として利用する、あるいはプリントアウトして児童生徒に読ませ、感想や意見を書かせるといった使い方をすることで、被災後の状況をイメージさせることにつながるはずです。

 

防災袋についての学習 10/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/950
防災袋を作ってみよう(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/958
家族会議と災害伝言ダイヤル「171」についての学習 8/16時間(日本女子大学 石川孝重研究室)
http://edupedia.jp/entries/show/961
岩手県中学校の地震発生時の状況と対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/lUs9Qp
東日本大震災経験者の作った防災チェックリスト(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/AltgVB
東日本大震災の時、避難所にあればよかった20の物品(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/Fy3Twu
避難所運営への対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/BrHVry
被災した生徒のストレスへの対応(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/gU6Zvq
震災を通した生徒の成長(佐藤謙二先生)
http://goo.gl/0SA9yh

 

5 ポイント4 学習成果や課題はフィードバック

 

最後のポイントは「学習成果や課題はフィードバック」です。
防災教育教材の「標準化」に欠かせないのは、フィードバックです。

防災教育50選の記事を読み実際に授業で使ってみた。
その結果、どんな反応や学習成果が得られたか。あるいはどんな課題があったか。
それをフィードバックすることで、教材としてのブラッシュアップが行われます。
教育工学(インストラクショナル・デザイン)で言われる「ADDIEモデル」は教材のブラッシュアップモデルとして活用できます。

 

分析(Analysis): 学習者(児童生徒)や学習環境、テーマに関する分析
設計(Design): 教材やプログラムの骨子を設計、比較、検討する
開発(Development): 教材やプログラムを開発する
実施(Implement): 学習者に対し教材やプログラムを使用し、授業を実施する
評価(Evaluation): 実施成果について、児童生徒による評価、自己評価を行う

 

いろいろな人が、同じ教材を違う視点で使うことで、多様性のある教材へと磨かれていきます。

「なかなか思うような教材がないな・・・」と思ったらなら、まずは近い教材を使って実施し、そのフィードバックを次回に反映させることで自ら「理想的な教材」を作っていけばよいのです。

EDUPEDIA は様々な先生方、教育関係者が利用しています。
積極的に意見を出し合えば、良い教材が必ず生まれてくることでしょう。

それぞれの記事でも、本記事でも構いませんので、ぜひ実践フィードバックや防災教育へのご意見をいただければ幸いです。
6 おわりに

防災教育コンサルタントとして、年間100日間程度は教育機関での防災教育実践に携わらせていただいた経験から、防災教育50選の内容を整理させていただきました。
末筆ながら、記事作成にあたり、EDUPEDIA 編集部様に多大なご協力をいただきましたことを感謝申し上げます。
【防災教育の実践・指導補助はこちらで承っております】

災害救援ボランティア推進委員会 http://www.saigai.or.jp/
防災教育普及協会 http://www.bousai-edu.jp/

 


 

本記事へのお問い合わせは こちら からお願い致します。

臨時 災害ボランティア活動事前研修用資料(JCN-GLチーム)

JCN(東日本大震災支援全国ネットワーク)ガイドラインチームが作成した資料等を掲載します(弊会もガイドライン作成に協力)。

詳細は上記JCNリンクよりお問い合わせください。

※いずれもPDF型式です。

 

01_安全衛生プチガイド

02_災害ボランティア活動ガイドラインVer3.0

03_安全衛生のポイント(夏期)

04_災害ボランティアの心のケアポイント

05_長期支援(生活不活発病)のポイント

06_子どものアレルギーポイント

07_ボランティアバス運行のポイント

第15回 【教材あり】災害情報とコミュニケーションについて学ぶ『DICE(ダイス)』

第15回 【教材】災害情報とコミュニケーションについて学ぼう

宮﨑 賢哉(ミヤザキ ケンヤ) — 防災教育コンサルタント/社会福祉士–

災害救援ボランティア推進委員会主任/(社)防災教育普及協会事務局長 兼務

 

【サマリー】
災害時にまず私たちが触れるのはさまざまな「情報」です。その情報をどのように収集・伝達し、自分以外の誰かとコミュニケーションをとるか、ということは災害対応そのものと言っても過言ではありません。本講では、カードゲーム型式で災害情報とコミュニケーションについて学ぶことができる「Disaster Information & Communication Exercise : DICE/ダイス)についてご紹介します。

==教材のダウンロードはこちらから==

DICE指導用スライドver.3.1(PDF型式/2.4MB)

情報カードセット(自由記入有)(ZIP型式/1.1MB)

DICE-PROGRAM検証レポート(2010)(PDF型式/567KB)

DICEアンケート調査票_100514v(PDF型式/132KB)

 

【注意事項】
本講で紹介する教材の権利は筆者にあります。講座・研修等で自由に使っていただいても構いませんが、出典の明記をお願いいたします。また、有料販売等での利用は一切認めておりません。詳しくは こちら からお問い合わせください。

 

★★★ 時間がない方のために ★★★

本講の内容は下記のスライドPDFで確認できます。但し、一部PDFには含まれない内容もあります。

DICE指導用スライドver.3.1(PDF型式/2.4MB)

 


●本講の内容

はじめに

1 事前指導の内容

(1) 災害情報と危機対応を知る
(2) 情報の区分と流れを見極める
(3) 災害情報を整理する”3つの箱”を持つ
(4) 情報管理プロセスを意識する

2 演習・ゲームの概要

(1) 使用する教材
(2) 実施のルール
(3) 演習・ゲームの概要

3 事後指導資料

(1) リーダーシップとミス・コミュニケーション
(2) 災害対応・防災活動に求められる人材像
(3) 指導上のポイント

まとめ

 


はじめに

DICE(ダイス)は「無線機の操作方法を楽しく、分かりやすく、実戦的に習得する」ことを目的に考えられたゲームをベースに生まれた演習です。

ゲーム性を維持しながら、消防分野における災害情報の扱い方による指導プログラム、災害救援ボランティア活動の経験から、災害情報を扱う担当者に求められるコンピテンシー(評価可能な行動特性、P.5)などを取り入れています。

DICEでは、このコンピテンシーを意識することで解決につながるような課題が生まれるよう構成されています。参加者は自身が災害情報を扱う際に求められる能力を、DICEを通じて段階的に習得することができるようになっています。

また、無線機、携帯電話、付せん、口頭といった情報伝達手段と、情報を記載するメモ用紙さえあれば、どのような環境でも実施が可能な汎用性の高さから、様々な教育訓練と併用することができる点も大きな特徴です(防災イベントや訓練でも)。

さらに、DICEでは扱う情報がどのような内容であっても指導内容が変わらないため子どもから学生、社会人、ハンディキャップを持った方など、あらゆる条件で災害情報に接する方が、それぞれの条件に併せて実施することが可能です。

本スライドではその基本コンセプトを紹介します。皆さんの災害対応力向上の一助となれば幸いです。

2014年4月改訂

 

 


1 事前指導の内容

(1) 災害情報と危機対応を知る

▼災害情報の重要性
危機(災害時等)的な状況で活動するためには、災害情報が不可欠です。次々と変化する状況に迅速に対応するためには、迅速な意思決定が必要です。災害情報が不足・不正確であるうちは、迅速・的確な意思決定を行うことが難しくなります。

 

キャプチャ図-1

▼日常的な意思決定プロセスとの違い
日常の意思決定プロセスでは、報告された情報を基に状況を見極め、情報を入手できた順に意思決定することが一般的です。従って優先順位が違っても、大きな間違いにはならず、修正することも容易です。しかし、危機的な状況では様々な情報が順序を問わず集まるため、重要な情報の報告が遅れたり、情報を見逃したりする危険があります。加えて、危機対応の意思決定はひとつひとつが重要な意味を持つため、優先順位を間違うと大きな影響が生じます。取り返しのつかない状況に陥る危険があります。
▼状況を安定させ、影響を小さくする情報を整理する
人命に関わる情報、混乱や動揺を防ぐ情報など、危機によって生まれる状況(被害)をなるべく小さく抑えられる情報を優先的に扱います。日頃からどのような情報がいつ必要なのか、予め整理しておくことが必要です。

 

 

(2) 情報の区分と流れを見極める

▼情報の種類を見極めよう
日本語では一言で「情報」といっても、情報にはいくつかの種類、区分と流れがあります。

 

↓ 1.Data(データ=現場に無数にあふれる雑多な情報のこと)

↓ 現場で最初に飛び交う、様々な情報です。不正確・不確実なうわさ、デマなども含む。

↓ 2.Information(インフォメーション=Dataの集合からある程度整理された情報のこと)

↓ データの集合から、ある程度整理された情報です。ある程度信頼のおける情報になっています。

但し、災害対応に必要な情報と不必要な情報が混ざっています。

↓ 3.Intelligence(インテリジェンス=Informationからさらに分析された情報のこと)

↓ インフォメーションを分析、比較、推論し認められた情報です。インフォメーションの中から

災害対応に必要と思われる情報を整理した結果、得られます。

 

 

さて、災害対応における意志決定で必要な「情報」はどれでしょうか。その情報を得るためには、どのような過程が必要でしょうか。事前に考え、訓練をしておくことが、適切な情報収集につながります。

 

(3) 情報を整理する”3つの箱”を用意する

情報には区分と流れがある、ということを前項で説明しましたが、それぞれの区分において、どのように情報を扱うかについてご説明します。まず、情報を整理するには、”3つの箱”を用意しましょう。

 

▼事実の箱 = 自分で確認した、明らかな事実
まず、事実の箱です。自分の目で確認したことや、根拠が明確なもの、必然性があることなどをこの箱の中に入れておきます。

▼伝聞の箱
次に伝聞の箱です。誰かから聞いたこと、言っていることなどはこの箱の中に入れておきます。

(例:~らしい、~だって、~するそうだ、~と言っていた 等)
▼意見の箱
最後に意見の箱です。誰かの意見や考え、主張などをこの箱の中に入れておきます。

(例:~しなければならない、~のはずだ、~だと思う)

 

3つの箱で整理したら特に「事実」の箱に注目しましょう。災害時には情報が極端に少なくなるか、あるいは多くなる場合があります。その中には伝聞や意見も多く含まれています。伝聞や意見は事実とは限りません(もちろん、事実であること、事実に近いこともあります)。まずは「何が事実で、何が事実ではないのか」を整理することが、災害情報収集と伝達の基本です。

 

★★★練習問題★★★

友人の車で海に遊びに来ていたとき、30秒くらい大きな揺れを感じた。ライフセーバーが「車は使わず、すぐに走って高台に避難してください!」と言っている。友人は「このくらいなら津波は来ないはずだ」と言っている。既に一部の人は車で避難をはじめ、目の前の道路には渋滞が起き始めていた。

Q1.この文章を「事実」「伝聞」「意見」の3つの箱で整理してください。

Q2.あなたが取るべき行動の参考にすべき情報を、箇条書きで書き出してください。

 


2 演習・ゲームの概要

(1) 使用する教材

下記からダウンロードしてください。

 

==教材のダウンロードはこちらから==

DICE指導用スライドver.3.1(PDF型式/2.4MB)

情報カードセット(自由記入有)(ZIP型式/1.1MB)

DICE-PROGRAM検証レポート(2010)(PDF型式/567KB)

DICEアンケート調査票_100514v(PDF型式/132KB)

 

 

(2) 実施のルール

◆情報の収集、伝達は無線機(携帯電話等でも)を使用します。情報のペアを作る時は「情報カード」を実際に移動させます。

◆「情報カード」の移動はチームの誰かが1枚ずつ持っていきます。1人で2枚以上のカードを持つことはできません。

◆一部のチームと直接連絡がとれない場合があります。本部、各チームは無線の内容を正しく把握して、必要な情報を他のチームに伝えてください。

◆一人の人だけが無線を使うのではなく、全員で交代しながら使ってください。複数で記録をとらないと情報の記録が間に合いません。どうすれば効率的に
対応できるか、各グループで相談してださい。

◆無線機の操作、話し方は演習中に自然と身につけることができますので、操作経験や話し方の上手下手はあまり気にせず、まずは演習を体験してください。

(参考資料 図-2)

 

キャプチャ図-2

(3) 演習・ゲームの概要

本部・ABCにわかれ、カードを配布したのち、無線機等を使ってカードの「神経衰弱」を行います。

カードを作る、印刷するのが面倒であれば、トランプを使っても構いません。大切なのは「災害時の情報収集と伝達には、冷静な情報の整理と分析、適切な伝達(=コミュニケーション)が必要になる」ということを理解してもらうことです。詳しくは、指導用スライドをご参照ください。

 

 

 


3 事後指導資料

(1) リーダーシップとミス・コミュニケーション

▼本部機能とリーダーシップ

  • 一般知識、専門知識が必要性
  • 即決・即断と的確な分析
  • 「本部」「リーダー」としての役割をはっきりさせる

 

▼ミスコミュニケーションを防ぐ

  • パーセプション(認識・理解)、思い込みや先入観が原因となる
  • 一方通行ではなくキャッチボールをする
  • 復唱する、相手を明確に
  • 内容はカンケツ、メイリョウに

 

(2) 災害対応・防災活動に求められる人材像

阪神淡路大震災の対応経験者が感じた理想の人材像上司(学生の場合教職員、先輩等)に言われたことだけやれば良いという人ではだめ。

前半5つ(ア~オ)は個人の仕事(活動)に対する取り組み方に関するもの。後半6つはリーダーとしての資質に関するもの。

(ア)体力的・精神的に強靱である人
(イ)個人的事情よりも仕事を優先できる人
(ウ)その場で自分に何ができるかを考える人
(エ)全体像を把握した上で仕事ができる人
(オ)自分の判断で迅速に事態に対応できる人
(カ)声の大きい人
(キ)誰とでも対等に渡り合える人
(ク)コミュニケーション能力が高い人
(ケ)周りの人の動きがちゃんと理解できる、読める人
(コ)調和が取れている人
(サ)いろいろなタレントを組み合わせてうまく使える人

林春男『防災を担う人材育成』より抜粋

(3) 指導上のポイント

  • 本部の役割は「被害の全体像」をいち早く掴むことである。本部が、十分な情報を集めないまま、場当たり的に決断を下すと本来必要とされる場所に必要な資源が届かない(以下「ミスマッチ」)が起きる。
  • 被害の大きさに比例して、情報が入りづらくなる。被害が大きければ大きいほど、情報を発信する環境が整うのが遅くくなるか、断絶する。被害が小さければ小さいほど、人が集まり、環境も整うため活発に情報が発信される。
  • 「情報の鮮度」を意識する。ある時点では「正しい」情報もある時点から「正しくない」情報に変わることがある。但し、スピードだけで決断するとミスマッチが起きる。また、ミスマッチを恐れて情報の分析・収集に時間をかけすぎると、情報の鮮度が落ち活用できなくなる。「何を優先すべきか」を考え、情報処理を行う。
  • 「3つの箱(前述)」を意識する。本部は、はっきりしない情報や、又聞き(伝聞)だけで決断を下してはいけない。本部が決定するときは、確かな情報に基づいているか、判明している事実から確実性が高いと判断できる情報を根拠とした意志決定を行う。
  • 「情報トリアージ」を意識する。正確な情報、必要な情報、緊急性の高い情報を積極的に選別し、活用する。
  • 本部がリーダーシップを発揮する。本部が必要とする情報以外の送受信を待たせることも必要である。
  • 全員がお互いの状況を考え、意識的に「情報のキャッチボール」を行う。一方的な送受信では、マッチングが遅れる。自分たちは伝えたつもりでも、相手に正しく意味が通じていない場合もある。分かりやすく、簡潔明瞭に情報を伝える。
  • 情報カードに全ての情報が記載されている訳ではない点に注意する。足りない情報があれば、他の被災地の状況などから推察する(但し、推察した情報と、事実とを混同しないよう注意する)。
  • 本部以外のグループも「本部に協力する」姿勢を持つ。本部が機能しなくなれば、各グループの情報収集と伝達
    にも影響が出るためである。
  • 二重マッチングや、マッチング忘れを防ぐため、情報カードのやりとりは常に記録しておくこと。

 

 


まとめ

DICEは、災害時に起こりえる情報処理のミスを、なるべく少なくすることができるようプログラムした教材です。

最初は難しいかもしれませんが、ある程度訓練を重ねると、情報の取り扱い(無線機を使っている場合は無線機の取り扱い)に慣れることができます。

詳しくは DICE-PROGRAM検証レポート(2010) もご覧ください。

 

様々な地域、学校等で、防災訓練の教材としてご利用いただければ幸いです。DICEを用いた教育訓練等についてのご依頼もお引き受けしております。お気軽にご相談ください。

 

 


 

この記事に対するお問い合わせは こちら からお願い致します。

 

 

第14回 防災教育のすすめ ~命を守る防災教育の考え方と実践事例-後編-~

第14回 防災教育のすすめ ~命を守る防災教育の考え方と実践事例-後編-~

宮﨑 賢哉(ミヤザキ ケンヤ)、防災教育コンサルタント/社会福祉士

災害救援ボランティア推進委員会主任/(社)防災教育普及協会事務局長 兼務

【サマリー】
学校での防災教育や地域での防災学習に取り組みたい方から「必要なのは分かっているけれど、何から始めたらよいのか分からない」「自分はやる気があるけれど、周りが協力してくれない、参加してくれない」と言った声をよく聞きます。本講は「地域防災インストラクター(※災害救援ボランティア推進委員会主催の上級講座を修了し、指定の課題をクリアした方)」希望者を対象とした講義内容を中心にご紹介します。

 

【注意事項】
本講は災害救援ボランティア推進委員会第16期上級講座における科目「地域連携プログラム」における講義内容を整理したものです。概ね講義内容に準じますが、筆者が一部公開に適さないと判断した部分は省略・割愛しています。何卒ご了承ください。

 


●本講の内容(前編)

はじめに

1 なぜ防災教育(防災学習)は必要なのか

(1) 防災教育(防災学習)実践現場が抱える課題と教科⼊りへの議論
(2) 精神論、理想論ではない具体的⼿段の模索
(3)「忘災」への対策が原点であり終着点
(4) 釜⽯東中学校の事例検証

2 命を守る防災教育(防災学習)の考え方

(1) 防護動機理論に基づく2つのポイント
(2) 「やらない・できない・興味ない防災」に至る意志決定プロセス
(3) “最善を尽くせ”とはどういうことか

3 学習指導計画と目標設定

(1) 段階的で継続的な防災リテラシ向上
(2) 文科省による防災教育学習目標
(3) 学習成果と目標行動の関係

 


●本講の内容(後編)

4 防災教育(防災学習)実践事例

(1) 防災教育実践手法マトリクス
(2) 体験「うさぎ一家のぼうさい荷作り」
(3) 事例紹介「ぼうさい探検隊」

5 防災教育(防災学習)のすすめ

(1) 防災教育の評価分析と科学的根拠に基づく実践
(2) 防災教育実践の標準化に向けて

おわりに


4 防災教育(防災学習)実践事例

さて、前編では防災教育を取り巻く現状と課題、総論についてご説明させていただきました。後編では、具体的な防災教育(防災学習)の実践事例についてご紹介させていただきます。

 

(1) 防災教育実践手法マトリクス

図-1は、防災教育(防災学習)の実践手法をマトリクスで整理したものです。防災教育(防災学習)の実践手法は、大きく4つの手法に分類することができます。

☑ 講話型 (講師による講演、講話のみ)

メリット:手軽にできる

デメリット:良くも悪くも授業者(講師)次第、外部講師(特に著名な講師)には予算がかかる

事前学習のポイント:演題・テーマに準じた基礎知識(前提知識)を学ばせる

事後学習のポイント:演題・テーマに基づく講師が伝えた内容を理解しているかどうかの確認

 

☑ 演習型 (ワークショップやグループワーク、街歩きなど)

メリット:主体的な思考を促せる

デメリット:授業者(教員等)に知識や経験、指導上の工夫や配慮も必要になる

事前学習のポイント:テーマに対して共通認識を持たせる、誤解のないようにする

事後学習のポイント:他のクラスメート、グループでの意見をよく聞いて、共有する

 

☑ 避難訓練型 (避難訓練、消火訓練、応急手当訓練など)

メリット:楽しく学べる、慣れている / デメリット:マンネリしがち、消防や外部団体に丸投げになりやすい。

事前学習のポイント:基本的な安全行動ができているか、理解しているかを確認する

事後学習のポイント:学習した行動や、想定した災害に適切に対応できるかを確認する

 

☑ 総合型 (1~3つの型式を組み合わせて実施するもの)

メリット:組み合わせで効果が高まる / 準備・実施に際して人的、時間的、予算的な負担が大きくなる。

事前学習のポイント:演題・テーマに準じた基礎知識(前提知識)を学ばせる

事後学習のポイント:学習した行動や、想定した災害に適切に対応できるかを確認する

 

防災教育実践マトリクス

図-1

 

防災教育(防災学習)実践を考える際は、これから実施する(予定している)内容が、どの分類に該当しているかを確認しましょう。それぞれにあるメリットやデメリット、事前学習のポイントを押さえておくことで、より効果的な防災教育(防災学習)を実施することができます。

 

(2) 体験「うさぎ一家のぼうさいグッズえらび」

うさぎ一家の防災グッズえらびについては こちら の記事をご覧ください。

 

(3) 事例紹介「ぼうさい探検隊」

ぼうさい探検体については こちら をご覧ください。

 

5 防災教育(防災学習)のすすめ

(1) 防災教育の評価分析と科学的根拠に基づく実践

[参考資料] 防災教育共通評価シート集計票(PDF型式)

「防災教育は、本当に命を守ることにつながるのか」という大変難しい質問については後述しますが、まずは「防災教育実践を阻む4つの壁」についてご紹介します。

 

① 目標を立てた時点でコミットメントが低く行動が起こらない

やろうとは思うけれど、他にもやらなければいけないことがあるしな、と思ってしまう。

[対策]  「この日にやる」というスケジュールをはっきりと決めてしまいましょう。内容は後から考えることもできます。

② やる気はあるものの、何をしたらいいのか分からない

やろうと思って行動を起こすけれど、まず何から手をつけたらいいのか分からず動けない。

[対策]  そのテーマに沿った教材や指導案がないか探してみましょう。消防や外部団体に問い合わせても良いでしょう。

③ 知識・スキルをどう使えばいいのか具体的に分からない

何から手をつけるかも決めたけれど、教える上での知識や経験・スキルに不安がある。

[対策]  本、テキスト、資料や教材を読む、研修に参加する、経験のある方に相談する、などが考えられます。

④ 変化を起こせない(一歩が踏み出せない) →  勇気の不足

知識やスキルも充分にあるけれど、本当にそれでいいのか、今ひとつ自信が持てない。

[対策]  参考資料をぜひご覧ください。防災教育(防災学習)は、多くの児童生徒、一般の方に良い影響を与えることが集計結果から分かります。

 

群馬大学による研究結果では「リスクを認識している者ほど、他者に対してリスク回避を働きかける傾向にある」、ということが分かっています。つまり、防災教育や防災学習によって、リスク(災害等の危険)とその対策を認識する人が増えれば増えるほど、地域・学校、そして家庭の防災力を高めることにつながっていきます。それが例えどんなにわずかな時間の授業や講習であったとしても、継続的に続けていくことが、防災力向上につながります。

(2) 防災教育実践の標準化に向けて

防災教育普及協会では、今後優れた防災教育の実践事例やプログラムの「標準化」を目指しています。

国内には様々な防災教育の実践事例やプログラムが、それらをすぐに真似て実践できる学校や地域はごく少数かと思います。ほとんどの防災教育・防災学習が「その地域・その人」に根付いたものであるため、他の地域・他の学校がすぐに応用することが難しいのが現状です。

どんな地域の、誰もが扱える汎用性があり、かつ「命を守る」ことにつながる防災教育・防災学習実践の教材やプログラムを整理し、公開していく「標準化」を、今後防災教育普及協会を中心に進めていくことになります。

まだまだ時間はかかりますが、ぜひ今後の会の動きにもご注目いただければ幸いです。

ホームページリンク 一般社団法人防災教育普及協会

 


 

この記事に対するお問い合わせは こちら からお願い致します。