お知らせ

新型インフルエンザでのボランティア活動に関する事務局長声明

新型インフルエンザのパンデミックを前にして災害ボランティアの活動をよびかける
                         2009年5月8日
          災害救援ボランティア推進委員会事務局長 澤野次郎
 
 WHO(世界保健機構)は、新型インフルエンザの警戒水準を4月30日(日本時間)にフェイズ5に引き上げる声明を発表したが、週明けにもフェイズ6に引き上げ、パンデミック宣言するとのを見方が強まっている。まだ日本国内において感染者は出ていないが、感染者がいつ発生してもおかしくない状況にあることに変わりはない。
 災害救援ボランティア推進委員会は災害救援を考える際に大規模地震を重視してきたが、それは社会に対する被害の程度を考慮してのことであり、災害救援を大規模地震に限定するものではない。
 今から90年前に発生したスペイン・インフルエンザの大流行では、世界で2千万人から5千万人、日本でも38万人から50万人の死亡者が出たと推定されている。もちろん今日は国際協力もあり、対策も進展しているので過去と単純に比較するものではないが、対策を怠れば被害が甚大になることは間違いない。
 以上のように今回の新型インフルエンザの大流行を考えた場合に、社会に対する大きな被害が生じることが想定される。被害の規模からみれば、これは大規模災害の発生と同じことであり、わが身わが家族と近隣住民を守るために災害ボランティアの活動が必要とされる。
 私たちがパンデミックの段階を想定して提唱するボランティア活動は誰もができる生活支援活動であり、資格と訓練が必要となる専門性が高い医療支援活動ではない。
 それではどのような生活支援活動が必要とされるのだろうか。パンデミックの段階に入ると感染拡大を防ぐために人と人の接触を可能な限りしないことが求められる。まず臨時休校等により子供たちが一定期間、自宅待機になる可能性が高い。大人も臨時休暇で自宅待機する可能性も出てくる。高齢者世帯等も自宅待機となる。
 そうした事態を想定し、次ぎの活動をよびかける。
一、新型インフルエンザに関する正しい知識と対応の学習。
一、一定期間の自宅待機のための準備。(一定期間の長さは各人で考える)
一、自宅待機時における近隣及び地域の協力体制の構築。
 このよびかけは過剰と受け止められるかもしれない。しかし、この活動はわが身わが家族の命を守るための自衛的な活動であり、近隣の助け合いの活動である。また大地震発生時における対応とも共通する部分がある活動でもある。
 新型インフルエンザのパンデミックが現実的なものになる今日の事態を前にして、災害ボランティアのリーダーの皆さんに創意工夫ある活動を呼びかける。
                             以 上